いずれ地球は“死の惑星”になる… 科学が予測した“緑の地球”の終わり

この地球上に我々はいつまで住み続けることができるのか――。最新の研究によると10億年後の地球は生物が生息できない“死の惑星”になるという。
■地球は10億年先に“死の惑星”に
約24億年前の「大酸化イベント(Great Oxidation Event)によって、地球上の環境は劇的に変化し、光合成生物の活動により酸素と水に満ち溢れさまざまな生物が繁栄する“緑の地球”となった。
しかしこの恵まれた環境も永遠に続くわけではない。
NASAの支援を受け、東邦大学とジョージア工科大学の研究チームが実施した研究が今年3月に「Nature Geoscience」で発表され、 地球上のほとんどの生命がもはや持続不可能になる未来のシナリオが報告されている。この研究によると、この先の地球にはゆっくりとではあるものの不可逆的な大気の変化が訪れることになる。
研究チームは地球の大気の長期的な変化を約40万回のシミュレーションを行い、その結果、地球の最終的な運命は今後10億年に「大酸化イベント」以前の状態への回帰であると結論づけられた。
太陽は今後数百万年かけて徐々に放射量を増加させ、最終的には恒星の寿命の終盤に訪れる段階である赤色巨星へと変化する。この変化により、地球が受ける光と熱は劇的に増加し、海は蒸発し、酸素が急激に減少し、地球の地表は不毛の大地となり“死の惑星”と化すのだ。
酸素の減少に伴い地球のオゾン層も消失し、地表は太陽からのダイレクトな紫外線にさらされ、人間を含む通常の生物の生存は不可能になる。かろうじて嫌気性細菌や古細菌などの微生物だけは生き残る可能性があるという。
研究によると、このプロセスはわずか1万年で始まり、大気中の酸素濃度は現在の100万分の1にまで低下する可能性があるということだ。
研究チームは二酸化炭素の分解が加速されることで光合成が崩壊すると、その連鎖反応は不可逆的になると推定しており、地球の地表は徐々に乾燥した生命のいない砂漠となり、通常の生物は絶滅に追い込まれる。
大多数の生命が失われても地球自体がなくなるわけではない。地球は火星と同じく過酷で不毛な惑星になるものの、太陽の周りを回り続けるのだ。研究チームはこのシナリオを地球の長い進化の軌跡における自然なプロセスであると考えている。
太陽の猛威を示す現象はすでに観測されている。たとえば2024年5月には、NASAが過去20年間で最も強力な太陽嵐を観測した。この時の太陽嵐は実際に一部の衛星や通信に支障をきたし、技術インフラの脆弱性に対する懸念を引き起こした。
さらに人間の活動によって引き起こされる地球温暖化がそれに加担する可能性もある。太陽の猛威と相まって、地球温暖化によって予測よりもずっと早く地球上での人類の生存が脅かされる可能性があるのだ。

こうした予測を踏まえ、科学者たちは太陽系外のハビタブルゾーンにある太陽系外惑星の探査にますます関心を寄せている。まさに人類の“引っ越し先”の探査は単なる科学的好奇心の域を超え、人類のサバイバルのための長期的な戦略となっているのだ。
宇宙開発の進歩において、将来のある時点で“引っ越し先”を見つけることがきわめて重要になってくるといえる。
地球の未来を予測するシミュレーションは、太陽の変化とその影響を理解することの重要性を改めて浮き彫りにしている。地球の運命はすでに決まっているといえるが、人類の命運は“引っ越し先”を探索し到達することにかかっているのだ。
今はまだ“緑の地球”が、残念ながら“死の惑星”になるまでの残された時間の中で、我々は“引っ越し先”を見つけ、実際に引っ越すことができるのだろうか。火星を現在の地球の環境に近づける「テラフォーミング」の研究も進んでいるが、イーロン・マスク氏が主張するように、ひとまずは火星への人類進出を成し遂げねばならないのかもしれない。
参考:「Misterios do Mundo」ほか
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