【法廷ミステリー】殺人犯を追い詰めた5つの“心霊裁判”「異議あり!」と叫んだのは“幽霊”だった !?

法廷とは、証拠に基づき、厳格な論理の下で真実を追求する場所だ。しかし、歴史の中には、その神聖な法廷に、我々の常識を遥かに超えた“証人”が召喚された、奇妙な裁判が存在する。その証人とは、なんと「幽霊」。超常現象と司法が交差した、5つの驚くべき“心霊裁判”の記録を紹介しよう。
1. 殺された花嫁が、母親の夢枕に立ち“犯人”を告発(グリーンブライアの幽霊)

1896年、米ウェストバージニア州。23歳の若妻ゾナ・ヒースター・シューが、自宅で遺体で発見された。死因は心臓病とされたが、その数日後、ゾナの母親メアリーのもとに、4夜連続で娘の幽霊が現れた。「私を殺したのは、夫のエドワードよ」。娘の霊からそう告げられた母親は、検察官を説得し、事件の再捜査を要求。
遺体が掘り起こされ再検死が行われると、首の骨が折れ、気管が押し潰されていたことが判明。本当の死因は、絞殺だったのだ。夫のエドワードは逮捕され、法廷では、母親が見た“幽霊の証言”が証拠として採用される。結果、エドワードは有罪となり、終身刑を宣告された。これは、幽霊の証言が殺人犯の有罪判決を決定づけた、アメリカ司法史上、極めて稀なケースとして知られている。
2. 悪徳弁護士、死後に法廷へ“幽霊”として召喚される(ジョン・トレギーグルの悪魔との契約)
17世紀イングランド。悪魔と契約し富を得たと噂された、悪徳弁護士ジョン・トレギーグル。彼は死後、ある裁判で、被告側の証人として、その名を呼ばれた。すると、驚くべきことに、法廷の証言台に、彼の幽霊が実体化して現れたのだ。幽霊の証言が終わると、その場にいた聖職者たちが、彼の魂をあの世へ送り返すための儀式を行ったと、伝説は伝えている。
3. “幽霊の目撃証言”が魔女狩りを加速させた(セイラム魔女裁判)

1692年、マサチューセッツ州セイラム村。数人の少女たちが「悪魔の使いに憑りつかれた」と訴え始めたことから、歴史上最も有名な魔女狩りが始まった。少女たちが法廷で語ったのは、夢や幻覚の中で見たという、幽霊や悪魔の姿だった。この「スペクトラル・エビデンス(幽霊の証言)」は、当時、有効な証拠として認められ、結果として19人もの人々が、魔女として処刑される悲劇を生んだ。
4. 陪審員が“ウィジャ盤”で被害者の霊を呼び出し、有罪判決(ウィジャボードの大失態)

1994年、イギリス。ある殺人事件の裁判で、陪審員たちが評決を下せずにいた。宿泊先のホテルで、追い詰められた4人の陪審員は、あろうことか、紙とワイングラスで即席の「ウィジャボード(降霊術の道具)」を作り、殺された被害者ハリー・フラーの霊を呼び出そうと試みたのだ。
驚くべきことに、グラスは動き始め、「犯人はスティーブン・ヤングだ。明日、有罪評決を下せ」というメッセージを綴ったという。翌日、陪審員たちはその“お告げ”通りに有罪評決を下したが、後にこの降霊術の事実が発覚。判決は覆され、裁判はやり直しとなった。(なお、再審でもヤングは有罪となった)
5. 殺された女性、同僚の夢に現れ“自ら”事件を解決(テレシータ・バサ殺人事件)
1979年、シカゴ。アパートで火災が発生し、焼け跡から、胸を刺された女性テレシータ・バサの遺体が発見された。捜査は難航したが、ある日、彼女の同僚だったレミー・チュアが警察に連絡してきた。「バサさんの霊が、毎晩夢に出てきて、犯人の名前を告げるのです」と。
バサの霊が告げた犯人の名は、同じ病院で働くアラン・シャワリーという男だった。半信半疑ながらも警察がシャワリーを捜査すると、彼がバサの宝石を所持していることが判明。追及されたシャワリーは、犯行を自白した。殺された被害者自身が、夢を通じて犯人を告発し、事件を解決に導いた、まさに奇跡のような事件である。

これらの物語は、法という人間社会の厳格なルールでさえも、時に説明のつかない“何か”の介入を許してしまう可能性を示唆しているのかもしれない。法廷の扉の向こう側には、まだ我々の知らない、もう一つの“真実”が存在するのだろうか。
参考:MENTAL FLOSS、ほか
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