重力を無視した“謎の加速”、“青い輝き”… 太陽系外からの天体「3I/ATLAS」を巡り科学界が大論争

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 オウムアムア、ボリソフに続き、我々の太陽系に飛来した3番目の恒星間天体「3I/ATLAS」。それは太陽系外の惑星系を知るための貴重な「天然のサンプル」なのか、それとも一部の科学者が主張するように、知的な存在が送り込んだ「人工物」なのか。その正体を巡り、世界中の天文学者が固唾を飲んでその動向を注視していた。

 そして今、太陽の裏側から再び姿を現し始めたこの天体は、科学の常識を覆す数々の異常な振る舞いを見せ、科学界を真っ二つに引き裂く大論争を巻き起こしている。

謎だらけの訪問者―観測された4つの“異常”

 3I/ATLASがただの彗星ではないことを示唆する、不可解な特徴は主に4つある。

◆観測史上最も極端な軌道: 3I/ATLASの軌道は、これまで観測されたどの天体よりも極端に引き伸ばされた楕円形をしている。これは、この天体が太陽系の重力に縛られていない、正真正銘の「太陽系外からの訪問者」であることを決定づける証拠となった。

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By CSS, D. Rankin; Video recorded and edited by User:Renerphohttps://neofixer.arizona.edu/css-orbit-view, CC BY-SA 4.0, Link

◆謎の急激な増光: 太陽に接近する過程で、通常の彗星の約2倍という異常なペースで輝きを増した。まるで内部で何らかのエネルギーが解放されたかのような、爆発的な明るさの変化だった。

◆ありえない“青い輝き”: 彗星は通常、塵が太陽光を反射するため赤っぽく見える。しかし、3I/ATLASは太陽よりも青く輝いていた。これは、自然現象では説明が難しい異常な色だった。

◆重力を無視した“謎の加速”: そして最も衝撃的だったのが、重力だけでは説明のつかない「非重力加速度」が検出されたことだ。NASAのジェット推進研究所(JPL)のデータによれば、この天体は太陽から離れる方向に毎秒毎秒加速しており、あたかも何らかの“力”で自ら推進しているかのように見えたのだ。

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By International Gemini Observatory/NOIRLab/NSF/AURA/Shadow the Scientist, CC BY 4.0, Link

二つに割れる科学界の見解―“異常な彗星”か、“人工物”か

 この4つの異常事態をどう説明するのか。今、科学界の意見は大きく二つに分かれている。

【主流派:異常な自然現象説】
 多くの科学者は、この謎の加速を、彗星の表面からガスが噴出する「アウトガス効果」で説明しようと試みている。太陽熱で温められた彗星の表面から、二酸化炭素や一酸化炭素がロケットのように噴き出し、その反動で加速したというのだ。

 しかし、この説には大きな問題がある。これほどの加速を生み出すには、天体の質量の10分の1以上を失うほどの大規模なガス噴出が必要となるが、今のところ、それほど巨大なガスの放出は観測されていない。青い輝きについても、「イオン化した一酸化炭素の発光かもしれない」という仮説はあるものの、決定的な証拠はない。

【反主流派:人工物(宇宙船)説】
 この状況に真っ向から異を唱えるのが、ハーバード大学のアヴィ・ローブ教授だ。彼は、これらの異常現象こそ、3I/ATLASが「地球外生命体の作った人工物」であることの証拠だと主張する。

謎の加速 → 内部に搭載された「エンジン」による推進力の証拠
青い輝き → エンジンが高温で発光したか、人工的な光源が点灯した証拠

 ローブ教授は、「自然現象で説明しようとすると、いくつもの奇妙な偶然を重ねる必要がある。しかし、人工物だと考えれば、すべての謎が一本の線で繋がる」と語る。

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NASAはデータを隠している?深まる論争と疑惑

 この論争に拍車をかけているのが、NASAの不可解な対応だ。ローブ教授によれば、NASAは火星探査機から3I/ATLASの最も鮮明な画像を撮影しているにもかかわらず、「政府機関の閉鎖」を理由に、その重要なデータを速やかに公開しなかったという。

「科学を日々の政治の駆け引きの人質にしてはならない」。ローブ教授はそう訴え、この「情報の出し渋り」が、天体の正体を解明する絶好の機会を奪っていると批判している。NASA側は「エイリアンではない。地球への脅威もない」としているが、その態度はかえって人々の疑念を深める結果となっている。

運命の12月―ついに正体が暴かれるか

 謎の加速、青い輝き、そしてNASAの沈黙。数々のミステリーをまとったまま、3I/ATLASは12月19日に地球へ最接近する。科学者たちは、この接近こそが、天体の正体を見極める最後のチャンスだと考えている。

 もし、ローブ教授が言うように、この接近時に大規模なガス噴出が観測されなければ、「アウトガス説」は否定され、「人工物説」が現実味を帯びてくることになるのかもしれない。

 果たして、3I/ATLASは我々の知らない宇宙の姿を教えてくれる、ただの“風変わりな彗星”なのか。それとも、人類の歴史を根底から覆す、知的生命体からの“メッセージ”なのか。その答えは間もなく冬の夜空で明らかになる。

参考:Daily StarIFLScienceEspacio Misterio、ほか

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