人工衛星で“太陽光を遮断”!? イーロン・マスクが狂気の計画… 専門家が「壊滅的な結果を招く」とガチ警告

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 イーロン・マスク氏がCEOを務めるSpaceXの人工衛星は太陽光を遮断できるのか――。マスク氏は新たに開発される人工衛星で地球温暖化を解決できると考えているが、一部の専門家はそうした地球工学的アプローチは悲惨な結果を招くリスクがあると警告している。

■人工衛星で太陽光を遮断できる!?

 イーロン・マスク氏は先日、X(旧Twitter)への投稿で「大規模な太陽光発電」の衛星群を地球の衛星軌道に打ち上げたいと表明している。

「太陽光発電で稼働する大規模なAI衛星群は、地球に到達する太陽エネルギーの量を微調整することで、地球温暖化を防ぐことができるでしょう」(マスク氏)

 このAI搭載の人工衛星は、太陽エネルギーが地球に到達する量を「微調整」することができ、地球を冷却する効果ももたらすという。つまりこの衛星群で地球に届く太陽光を調節して地球温暖化を食い止め、今よりも気温を下げられるというのだ。

 独ベルリンの国際環境法センター(CIEL)の化石燃料経済プログラムのディレクター、リリ・ファー氏は、このアイデアを「非常に投機的」だとコメントする。

「太陽光地球工学は本質的に予測不可能であり、すでに脆弱な気候システムをさらに不安定化させる可能性があります」と彼女は英「Daily Mail」紙に語る。

「これらの非常に投機的な技術は、気候危機の解決を妨げる危険なものであり、永久に検討対象から外すべきです」(ファー氏)

 SNSでは多くの人が米アニメ番組『シンプソンズ』のあるエピソードを思い出したことに言及している。地元の億万長者であるバーンズ氏が大掛かりな仕掛けで太陽光を遮り、スプリングフィールドの住民に原子力発電所の電気を使わせるという話だ。

 しかし本当にそんなことが可能なのか。

 スコットランドの作家であり起業家でもあるラム・ベン・ゼエフ氏は、エンジニアリング面は「可能かもしれない」が、「エラーの影響は計り知れない」と述べている。

 彼はXへの投稿で、このアイデアは「人間の制御を危険なほど過大評価し、自然のバランスを過小評価している」と説明する。

「日光を減らすことは気温を下げるだけでなく、この惑星の生命の基盤である光合成に直接影響を与えます。太陽エネルギーが1~2%減少するだけで、世界の農業、森林、酸素生産に壊滅的な打撃を与える可能性があります」(ゼエフ氏)

 英ノーサンブリア大学の氷河学者で気候科学者のサミー・バザード教授は、このような計画には「意図しない結果」が生じる可能性があると警告した。

「特に未検証の方法による意図しない結果のリスクがある場合、一人の個人や一国の判断でほかの国の気候を決めるべきではありません」(バザード教授)

 太陽光を遮断して地球温暖化を食い止めるアイデアとしては、すでに提案されている「成層圏エアロゾル注入」(SAI)がある。飛行機で成層圏に微粒子を放出し、太陽光を地球から反射させるというものだが、多くの科学者たちはこのような技術は気象に壊滅的な被害をもたらし、気候変動を悪化させる可能性があると警告している。

 地球工学的アプローチの取り組みは、地球全体に及ぶ問題に発展し得るだけに慎重を期さなくてはならない。

参考:「Daily Mail」ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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