「気候変動よりも恐ろしい“地球規模の災厄”が訪れる」イーロン・マスクが警告するAI電力危機

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イメージ画像 Created with AI image generation (OpenAI)

 地球規模の災厄がもうすぐやって来るのか――。イーロン・マスク氏がXなどで今後の人類が直面する禍(わざわい)について警告を発している。

■マスク氏警告:AIで深刻な電力不足

 テスラやスペースXのCEOを務める世界屈指の起業家であるイーロン・マスク氏が地球に迫り来る人類の進歩を阻む脅威について警鐘を鳴らしている。

 壊滅的な森林火災の頻発や、急ピッチで進む氷河の融解、食糧生産を脅かす干ばつなど、地球規模の異変に晒されている今日の世界だが、マスク氏によればそれよりも深刻な脅威が音を立てずに静かに迫っているという。それは現代生活の隅々にまで供給されている電力の不足だ。

 マスク氏は電力の世界的なひっ迫は、早ければ年内にも訪れるという。問題はエネルギー生産の不足というよりも、爆発的な需要の増加と、それを支えきれない既存の電力網の不備にあるという。

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画像:Justin Pacheco(パブリックドメイン)|出典

 マスク氏は世界の送電・配電インフラが必要なペースで拡大していないことや、電力変圧器などの重要な部品が不足していることを挙げている。こうした問題によりエネルギーが生産地から滞りなく届けられる体制に不備が生じはじめているという。

 電力不足の“犯人”はAI(人工知能)である。膨大な電力を消費するデータセンターは、より複雑な言語モデルや深層学習ツールが登場するたびに、電力消費を倍増させているのだ。

 現在のAIを支えているデータセンターの電力需要は6カ月ごとに倍増することが見込まれており、まさに倍々ゲームで増え続ける電力需要が限界に達する日がすぐそこまで来ているという。

 そしてもちろん電力はデータセンターのために生産されているわけではく、あらゆるモノとサービスの生産と保管に活用され、そして病院では人命を救うためにバックアップ態勢を備えた電力を常に必要としている。

 水道やガソリン供給も電力に依存しており、電力が途切れれば現代社会は機能停止に追い込まれる。

 火を見るより明らかだというこの“電力不足シナリオ”に直面し、グーグルやアマゾン、マイクロソフトといった巨大テクノロジー企業はすでに対策に取り組んでおり、太陽光発電、風力発電、原子力発電への巨額の投資を行っている。夢の未来社会を約束する技術革命は、皮肉にも資源の限界という未来に直面しているのだ。

 マスク氏のAIスタートアップ「Xai」は、テネシー州メンフィス郊外に大規模データセンターを建設中で来年の早い時期には完成する見込みであるということだが、この施設には天然ガスタービンによる発電施設が含まれているという。

 環境団体はXaiが汚染除去技術を使用せずにガスタービンを操作したり、必要な環境基準をクリアしないことで「クリーンエア法」に違反する可能性を懸念しており、規制当局に介入を要請している。

 はたしてAI業界は今後見込まれる電力不足にどう対処していくのか。生き馬の目を抜く激しい競争が繰り広げられているAI分野だが、生活インフラが脅かされるようなことがあってはならない。

参考:「Misterios do Mundo」ほか

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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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