ついに“AI歌手”がビルボードチャート入り! 3億円のレコード契約も獲得、音楽業界に激震“人間の仕事は奪われるのか”

ザニア・モネ(Xania Monet)。この名が、音楽業界の歴史に新たなページを刻んだ。
彼女はAIによって生み出されたデジタルシンガー。2025年11月1日、彼女の楽曲は全米ビルボードのアダルトR&Bラジオチャートで30位にランクイン。史上初めて、AIアーティストがビルボードのラジオチャートにデビューするという快挙を成し遂げたのだ。
さらに、彼女は大手レコード会社と300万ドル(約4.5億円)という破格の契約まで締結。AIの進化が、ついに人間の創造性の聖域である音楽業界をも揺るがし始めた。これは新たな芸術の幕開けか、それとも人間のアーティストの“終わり”の始まりなのだろうか。
詩人の“魂”を宿したAI―ザニア・モネ誕生の舞台裏
ザニア・モネの“生みの親”は、ミシシッピ州在住の詩人でありソングライターのテリーシャ・“ニッキー”・ジョーンズ氏だ。彼女は、自身の人生経験から生まれる詩や歌詞にメロディーを与えるため、人気のAI音楽生成プラットフォーム「Suno」を利用。そうして生まれたのが、バーチャルシンガー、ザニア・モネだった。
ジョーンズ氏は、ザニアを「自分自身の延長線上にある存在」だと語る。彼女のマネージャーは、「私たちはAIを、本来作られた目的である“ツール”として使っただけだ。真実に基づいたリアルなR&B、彼女のリアルな人生経験から生まれた歌詞がある。AIは、そのメッセージを世界に届ける手助けをしてくれたに過ぎない。芸術性とメッセージの根源は、すべて人間にある」と強調する。
TikTokから世界へ―デビュー4ヶ月での快進撃
ザニアの楽曲「How Was I Supposed to Know」は、まずTikTokでバイラルヒットを記録。そこからSpotifyなどの音楽プラットフォームへと波及し、ついにビルボードチャートを揺るがすに至った。
驚くべきは、彼女のデビューが、わずか4ヶ月前のことだという事実だ。この短期間に、彼女はSpotifyで44曲もの楽曲をリリースし、約120万人のフォロワーを獲得。SNS全体では80万人近いファンを持つ、正真正銘のスターとなったのだ。この彗星の如き登場に、大手レコード会社「Hallwood Media」が着目。AIアバターであるザニアと、その背後にいる人間ジョーンズ氏の両方と、300万ドルの契約を結んだ。

人間のアーティストの“敵”か、それとも“道具”か
ザニア・モネの成功は、音楽業界に大きな議論を巻き起こしている。多くの人間のアーティストは、「AIが人間の才能に取って代わるのではないか」という強い危機感を抱いている。AIは、人間には不可能なペースでコンテンツを生成できる。レコード会社やストリーミングサービスが、人間の才能よりもAIへの投資を優先し始めるのではないか、という懸念だ。
しかし、当のジョーンズ氏は、こうした批判を意に介さない。「私はAIを新しい時代の楽器、ツールとして見ているだけ」と語る彼女は、自身を歌手ではないと認めつつも、プロジェクトの背後にいる「本物のアーティストは自分だ」と主張する。
AIは、人間の創造性を拡張する究極の“楽器”なのか。それとも、人間の仕事を奪う恐るべき“競合相手”なのか。ビルボードチャートにその名を刻んだザニア・モネの存在は、音楽業界だけでなく、私たちすべてに、AIと人間の未来の関係性を問いかけているのかもしれない。
参考:Oddity Central、ほか
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