ギザのピラミッドに“未知の空間”を発見 ― 謎に包まれた「失われた入口」の存在についに手がかりか

エジプト、ギザの三大ピラミッド。その中で最も小さい「メンカウラー王のピラミッド」の内部で、これまで知られていなかった2つの未知の空間が発見された。この発見は、考古学者を悩ませてきた「失われた第二の入口」の謎を解き明かす、決定的な手がかりになるかもしれない。
この歴史的な発見を成し遂げたのは、「スキャンピラミッド(ScanPyramids)」プロジェクト。日本の名古屋大学も参加するこの国際共同研究チームは、貴重な遺跡を一切傷つけることなく、その内部構造を解き明かそうとしている。
なぜ「第二の入口」が疑われたのか?―磨かれた石材の謎
ギザの三大ピラミッドの中で最も南に位置するメンカウラー王のピラミッドは、紀元前2510年頃に完成したとされる、高さ約61メートルの建造物だ。
長年、考古学者たちの頭を悩ませてきたのが、ピラミッドの東面の異常な特徴だった。そこには、高さ約4メートル、幅約6メートルにわたって、表面が滑らかに磨かれた花崗岩のブロックが存在する。このような磨かれた石材は、本来、ピラミッドの北面にある正規の入口周辺でしか見られないものだった。
この奇妙な共通点から、2019年、ある研究者が「東面にも、もう一つの隠された入口が存在するのではないか?」という大胆な仮説を提唱。今回の調査は、この仮説を検証するために行われた。
最新技術が暴いた“2つの空洞”
研究チームは、ピラミッドを傷つけることなく内部を透視するため、地中レーダーや超音波、電気抵抗トモグラフィといった、複数の非破壊検査技術を駆使した。
そして、そのスキャン画像は、研究者たちの予想を裏切らなかった。磨かれた石材の背後、深さ約1.1~1.4メートルの位置に、2つの明確な空洞が検出されたのだ。
空洞1: 高さ約1メートル、幅約1.5メートル
空洞2: 高さ約0.9メートル、幅約0.7メートル
これらの空洞は、内部が空気で満たされていることが確認されており、自然にできた隙間ではなく、人工的に作られた空間である可能性が極めて高い。

「失われた入口」の発見へ―スキャンピラミッドの次なる一手
スキャンピラミッドプロジェクトが未知の空間を発見したのは、これが初めてではない。2023年には、最大のピラミッドであるクフ王のピラミッド内部で、巨大な未知の空間を発見し、世界中を驚かせた。
研究に参加するミュンヘン工科大学のクリスチャン・グロッセ教授は、「クフ王のピラミッドでの重要な発見に続き、我々は再びギザで重要な発見を成し遂げた」と語る。
「我々が開発した検査手法は、貴重な建造物を傷つけることなく、内部の状態について非常に正確な結論を導き出すことを可能にします。もう一つの入口が存在するという仮説は非常に説得力があり、我々の発見はその証明に大きく近づくものです」
今回発見された空洞が、本当に入口へと続く通路なのか、それとも全く別の目的を持つ部屋なのか。その答えを明らかにするため、研究チームは今後、さらに詳細な調査を進める予定だ。
4500年の時を超え、ピラミッドはその奥深くに隠された秘密を少しずつ私たちに見せ始めている。今回発見されたのは、その壮大な謎のほんの入り口に過ぎないのかもしれない。内部の未知の空間の先には何があるのか。そして、そのはるか地下深くに眠ると噂される“失われた超古代都市”へと続く道は果たして存在するのだろうか。人類の探究心がピラミッドの最後の謎を解き明かす日は、そう遠くないのかもしれない。
参考:Newsweek、ほか
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