地底の理想郷「シャンバラ」仏教が伝える“もう一つの地球”と、地球空洞説が示す驚くべき世界観

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「シャンバラの地は谷間にあり、蓮の花びらのように雪を頂いた峰々に囲まれて初めて到達できる…その中央には聖なる湖の上にそびえる九層の水晶の山があり、ラピスラズリ、珊瑚、宝石、真珠で飾られた宮殿がある。シャンバラは人類の叡智が時間と歴史の破壊と腐敗から守られ、危機に瀕した世界を救う準備ができている王国である…」

 この神秘的な描写は、伝説の王国シャンバラを指す。1926年、ロシアの哲学者ニコライ・レーリッヒは中央アジアで謎の飛行物体を目撃したと伝えられ、これがシャンバラへの関心を一層深めることになった。驚くべきことに、ハレー彗星の発見者であり英国王室天文官でもあったエドモンド・ハレーもまた、地球は内部が空洞であるという地球空洞説を信じていた。太古の昔から、多くの文化が同様の考えを抱いていたのである。

地球の奥底に眠る世界?古今東西の伝承

 我々の足元深くに、もう一つの世界が広がっているとしたら? ジュール・ヴェルヌのSF小説『地底旅行』は、単なる空想の産物ではなかったのかもしれない。バビロニアのギルガメシュ叙事詩、ギリシャ神話における冥府の探求、古代エジプトのファラオと地下世界との交信の伝説など、世界各地の古代文化には、地球内部の世界に関する記述が数多く見られる。

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 アマゾンに住む先住民マクシ族は、自らを太陽の子孫であり「地球内部」の守護者であると語り継ぐ。彼らには、その入り口を見張り、部外者を寄せ付けないという重要な任務があったという。さらに仏教徒の間では、世界の王が統治する地下の楽園「アガルタ」に無数の人々が暮らしているという信仰が古くから存在し、今も息づいている。これらの伝承は、地球空洞説が単なる憶測ではなく、古代の人々にとってリアリティのある概念だったことを示唆している。

謎の王国シャンバラ:平和と沈黙の理想郷

 こうした地底世界の伝説の中でも、特に神秘のベールに包まれているのが「シャンバラ」だ。サンスクリット語で「平和の地」または「沈黙の地」を意味するこの名は、チベット仏教や古代ヒンドゥー教の聖典、例えばカーラチャクラ・タントラ(時輪タントラ)などに記されている。シャンバラは、我々の惑星の内部に存在する隠された王国であり、物質的な探求では見つけ出すことが極めて困難な精神的な理想郷とも言われる。

 ダライ・ラマ法王は1985年の演説で、シャンバラは物理的な場所というより、特別なカルマ(業)的な繋がりを持つ者だけが到達できる「清浄な土地」であると述べている。また、神智学の伝統では、シャンバラは地上で最も偉大な精神的指導者たちの本拠地であり、そこから人類を導くための使者が遣わされると説かれている。

 研究者によれば、シャンバラは物理的な実体を持ちつつも、精神的な領域に属する場所であり、戦争や苦悩が存在しない平和と調和に満ちた理想郷として描かれる。シャンバラの予言には、世界の終末的な危機が訪れた時、32番目の王ルドラ・チャクリンが軍を率いて悪を滅ぼし、地上に平和を取り戻すとされている。この予言はシャンバラが単なる伝説上の場所ではなく、人類の未来にとって重要な役割を担う存在であることを示唆している。

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シャンバラは別次元に存在する?古代のポータル伝説

 シャンバラが我々の知る三次元空間の「内部」ではなく、別の次元に存在する可能性はないだろうか? アトランティスのような失われた大陸や、シャンバラのような神秘的な場所が発見されないのは、それらが我々がまだ認識できない異次元に存在するためかもしれない。

 世界各地には、異次元への「扉」や「ポータル」を示唆する古代の伝説が残されている。例えば、ペルーのヘイユマルカにある「神々の門」は、古代の英雄たちが神々の国へ渡った場所と伝えられている。また、その近くのナスカの地上絵には、宇宙や生命の循環を象徴する仏教のシンボルであるマンダラが描かれているが、なぜそれが遠く離れたペルーに存在するのかは謎に包まれている。こうしたオーパーツや伝説は、古代の人々がシャンバラのような異次元領域の存在を認識し、何らかの形でアクセスしていた可能性を示唆しているのかもしれない。

 ニコライ・レーリッヒは、「シャンバラは人類の大義のために常に警戒している。彼の思考の力は遠く離れた土地にまで浸透している」と記した。

 シャンバラは単なる神話なのか、それとも時空と次元を超える“人類救済のための存在”なのか。仏教の聖地とされるシャンバラは、いまもなお静かに人類の行方を見守っているのかもしれない。

参考:The Ancient Code、ほか

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