ついに発見！？ギザの地下に眠る“秘密のトンネル” ― 深さ40m、ヘロドトスが記した「3000の部屋」を持つ地下世界への入り口か

• 
• Xでポスト
• 

　エジプト・ギザ台地の地下には広大な地下ネットワークが広がっているのか――。ギザ台地の北東端で砂の下に隠れた完璧に掘られた3つの垂直のトンネルが発見された。

■ギザ台地で3本の垂直トンネルを発見

　レーダー技術の進歩により、最近になってギザのピラミッドの地下に円柱構造物やトンネルの発見が相次いでいる。ピラミッドの下には何があるのか。

　そして今回はエジプト学者で作家のアルマンド・メイ氏をはじめとする調査チームが、ギザ台地の大スフィンクス、クフ王のピラミッド、カフラー王のピラミッドの間の三角地帯に3つの井戸ではないことは明らかな垂直のトンネル（立坑）を発見したと主張している。

　メイ氏が参加する「カフラー王プロジェクト」のチームは、エジプトのギザ台地を長年研究し、地表の下に隠された構造物を発見するために合成開口レーダー（Synthetic Aperture Radar、SAR）を用いた衛星技術を駆使して、ギザの地下構造の調査を続けている。

　最初の立坑（shaft）はスフィンクスの北東に位置し、石灰岩のブロックで囲まれた四角い坑口は、12階建てのビルの高さに相当する約40メートルの地中まで降りている。

　トンネルの壁は驚くほど精密に四角く削られており、石灰岩と砂岩のブロックで覆われている。

　深さ12メートルのところに、幅24メートルの空洞が広がっているが、これは自然の浸食とは思えない人工的な形状をしている。衛星画像では40メートルを越えてさらに深いところまで続いていることも示唆されている。

　この最初に発見された立坑からわずか数メートル離れたところに、同じ形状の2つめの立坑が対をなして存在しており、この2本が意図的なシステムであることを示唆している。

　クフ王のピラミッド東側にある3番目の立坑は、かつてその入り口が擁壁で補強されており、頻繁に人が出入りしていたことを物語っている。

　これらの立坑の目的は未だ不明であり、考えられるのは儀式目的、水圧システム、あるいは垂直輸送のためなどが挙げられるがいずれも決定的な論拠に欠ける。いずれにせよギザの地下の複雑さを暗示しており、我々はギザについてまだほんの一部しか把握していないことが痛感されてくる。

　地中レーダー、電気抵抗トモグラフィー、独自のSARテクノロジーを含む最新の画像処理により、スフィンクス付近のさらなる特異な構造が明らかになり、台地の下にある相互につながった空洞の存在が示唆されているという。

　古代ギリシアの歴史家、ヘロドトス（484BC-425BC）はかつてここにはナイル川に繋がるであろう隠された地下室網があり、そこには約3000もの地下室があり、巨大な地下ピラミッドもそびえていることを示唆していたという。

　メイ氏らによればこれらの立坑はピラミッド自体と一直線に並ぶ、人工的に造られた広大なネットワークへの入り口となっている可能性があり、その精密さと整列は地上と地下で織り交ぜられた宇宙的および地球的な計画を暗示しているのかもしれないという。

　ギザの地下世界は何十年も見過ごされてきたが、これらの立坑によって、古代の工学技術と儀式の失われた智慧が明らかになる可能性もある。ギザ台地には古代エジプトへの理解を一変させるほどの秘密が今も秘められているのだろうか。そしてその秘密は我々の発見を待っているのか。地下構造を明らかにするさらなる調査に期待したい。

参考：「Daily Mail」ほか

文＝仲田しんじ

仲田しんじの記事一覧はこちら

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。

関連記事

• 

  ピラミッドは“王墓”ではなかった？― 古代エジプトの常識を覆す「経済安定化装置」説

• 

  スフィンクスの下にも…！？ギザの地下に眠る「巨大都市」の謎、ついに核心に迫る

• 

  ピラミッドの地下に眠る謎の巨大構造物、最新科学がその姿に迫る

• 

  ピラミッドの下に“第2の地下構造物”発見！？ギザの地下に「超巨大都市」が眠っているのか