イーロン・マスク氏、3I/ATLASに言及「もし衝突すれば大陸を消滅させる」地球外生命体の可能性も「分からない」

• 
• Xでポスト
• 

「あれはエイリアンかもしれない。もし地球に衝突すれば、大陸一つを消滅させ、人類のほとんど、あるいはすべてを殺すだろう」

　SpaceXのCEO、イーロン・マスク氏が、人気ポッドキャスト番組で、太陽系外からの謎の訪問者「3I/ATLAS」について、こんな衝撃的な警告を発した。

　科学界を二分するこの謎の天体は、本当に人類にとっての脅威なのか。宇宙開発の最前線を走る男が語った、最悪のシナリオとは。

揺れるマスク氏の見解―“彗星”か、“エイリアン”か

　3I/ATLASを巡っては、ハーバード大学のアヴィ・ローブ教授が「エイリアンの母船である可能性がある」と主張し、大きな論争となっている。これに対し、NASAをはじめとする天文学界の主流派は、「異常だが、自然の彗星だ」と反論している。

　では、宇宙企業のトップであるマスク氏は、この論争をどう見ているのか。

　ポッドキャスト番組「ジョー・ローガン・エクスペリエンス」に出演した彼は、当初、司会のローガン氏が煽る“エイリアン説”を冷静に否定した。「ニッケルが豊富な彗星や小惑星は存在する」「ニッケルだけで宇宙船を作ったら、重すぎるだろう」と、宇宙開発の専門家としての知識を披露。3I/ATLASの謎の加速についても、「彗星が太陽に近づけば、ガスを噴出して加速するのは自然なことだ」と、科学的な説明を試みた。

　しかし、議論が進むにつれて、彼の口からは意外な言葉が飛び出した。

「あれはエイリアンかもしれない。私には分からない」

　彼は、3I/ATLASが異常な彗星や小惑星である可能性を認めつつも、地球外生命体によるものである可能性を、完全には否定しなかったのだ。

「大陸一つを消滅させる」―マスク氏が描く最悪のシナリオ

　マスク氏が最も懸念しているのは、この天体が地球に衝突するリスクだ。

　現在、3I/ATLASが地球に最接近するのは12月19日と予測されており、その距離は約2億7000万kmと、安全な距離を保つとされている。しかし、マスク氏は「もし予測された飛行経路から逸脱した場合」という、最悪のシナリオに言及した。

「もし地球に衝突すれば、大陸一つを消滅させるようなものになるだろう。いや、もっとひどいかもしれない。人類のほとんど、おそらくは我々全員を殺すことになるだろう」

　マンハッタンほどの大きさをしたこの天体が、時速21万kmという猛スピードで地球に衝突した場合、その破壊力は想像を絶するものになる。彼は、宇宙機関がその接近を注意深く監視し続ける必要があると、強く警告したのだ。

なぜローブ教授は“エイリアン説”に固執するのか

　一方、一連の論争の火付け役であるローブ教授は、自身の「UFOスケール」を用いて、3I/ATLASへの評価を語っている。このスケールは、0が「既知の自然現象と一致する」もの、10が「地球外起源であることが確認された」ものを指す。

　ローブ教授によれば、3I/ATLASはその奇妙な振る舞いから、「少なくとも2（注目に値する物体）」に位置づけられるという。彼は、「この物体がエイリアンの乗り物である可能性を、完全に排除することはできない」と、今もなおその姿勢を崩していない。

　イーロン・マスク氏でさえも、その可能性を完全には否定できなかった謎の天体「3I/ATLAS」。それは、科学者たちが言うように、単なる“風変わりな彗星”に過ぎないのだろうか。それとも、ファーストコンタクトという夢か、人類滅亡という悪夢をもたらす、未知の存在なのだろうか。運命の日、12月19日に向けて、世界中の望遠鏡がその一挙手一投足を監視し続けている。

参考：Daily Star、IFLScience、ほか

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。

関連記事

• 

  「3I/ATLAS」は“宇宙船ではない”、ハーバード大教授の「エイリアン説」を科学者たちが完全論破する3つの根拠

• 

  「3I/ATLAS」から“微弱な電波信号”を検出 ― 太陽の直径を超える“巨大ジェット”も噴射、宇宙船説がさらに濃厚に！？

• 

  3I/ATLASの謎は新章へ… “消えた尾”と“7本のジェット”、加速しながら“質量を失う”天体に宇宙船説が再燃

• 

  重力を無視した“謎の加速”、“青い輝き”… 太陽系外からの天体「3I/ATLAS」を巡り科学界が大論争