「アルマゲドン」は現実になるのか――地球衝突の恐れがある小惑星2000個を確認、さらに70%は「未発見」の衝撃

SF映画『アルマゲドン』のようなシナリオが現実に近づいているか――。欧州宇宙機関(ESA)は現在、地球に接近する約4万個もの小惑星を監視しており、そのうち約2000個が地球に衝突する可能性があると警鐘を鳴らしている。
未発見の「中サイズ」小惑星がもたらす脅威
専門家たちが最も恐れているのは、まだ発見されていない小惑星の存在だ。幅1マイル(約1.6キロメートル)を超えるような巨大な小惑星については、そのほとんどが特定されており、監視下にある。これらが衝突すれば地球規模の大災害となるが、現在のところ差し迫った危険はないとされている。
しかし、問題なのは中サイズの小惑星だ。幅1000フィート(約300メートル)クラスの小惑星は発見が難しく、ESAによれば、発見されているのは全体のわずか30%に過ぎないという。つまり、残りの70%は宇宙空間のどこかに潜んでおり、未発見のまま地球に接近している可能性があるのだ。もしこれらが衝突すれば、深刻な地域的被害をもたらす恐れがある。

虫の眼を持つ望遠鏡で全天を監視
この脅威に対抗するため、ESAは「フライアイ(Flyeye)」と呼ばれる新型望遠鏡を開発した。これは昆虫の複眼のように広い視野を持ち、空全体を効率的にスキャンして脅威となる小惑星を早期に発見するためのものだ。
地球近傍小惑星の発見数は近年、指数関数的に増加している。ESAの地球近傍天体調整センターのルカ・コンベルシ氏は、「今世紀初頭には約1000個だった発見数が、2016年には1万5000個、2022年には3万個に達し、現在は4万個を超えた」と語る。チリに建設中のヴェラ・C・ルービン天文台などが稼働すれば、発見のペースはさらに加速し、数万個の新たな小惑星が見つかると予想されている。

地球を守るための防衛策
新たな小惑星が発見されるたびに、天文学者たちはその軌道を計算し、今後100年以内に地球に衝突する確率を予測している。もし巨大な小惑星が地球に向かってくることが判明した場合、世界各国のリーダーたちはその進路を変えるための計画を持っている。
実際、NASAは2022年に探査機「DART」を小惑星ディモルフォスに衝突させ、その軌道を変える実験に成功している。現在、ESAの探査機「ヘラ(Hera)」がその衝突の影響を詳しく調査するために現地へ向かっている最中だ。また、2029年には小惑星アポフィスが地球に極めて接近するが、この際にもESAは探査ミッションを計画しており、将来の惑星防衛に向けた準備を着々と進めている。
もし明日、未発見の小惑星が見つかったら――。そんなSFのような想像が、決して絵空事ではない時代に私たちは生きている。平和な夜空の向こう側で、今も静かな防衛戦が続いていることを心に留めておきたい。
参考:Daily Star、ほか
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2024.10.02 20:00心霊「アルマゲドン」は現実になるのか――地球衝突の恐れがある小惑星2000個を確認、さらに70%は「未発見」の衝撃のページです。小惑星、衝突、地球近傍天体などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで