観測衛星が地球に落ちてくる? NASAがロケットを送り込み、墜落を阻止する緊急ミッション始動

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ニール・ゲーレルス・スウィフト(Public Domain) Image by NASA E/PO, Sonoma State University/Aurore Simonnet Source

 地球への墜落を防ぐため、NASAが緊急ミッションを始動する。宇宙空間で制御不能になる恐れがある観測衛星を救うため、ロケットを発射して直接介入するという、まるでSF映画のような計画が発表された。

 ターゲットとなるのは、NASAの観測衛星「ニール・ゲーレルス・スウィフト(Neil Gehrels Swift Observatory)」だ。もし何もしなければ、この貴重な観測衛星は2026年末までに地球の大気圏へ突入し、墜落する可能性があるという。

飛行機からロケットを発射する空中発射計画

 今回の救出ミッションには、アリゾナ州の宇宙企業「Katalyst Space Technologies」が協力する。彼らが採用するのは、地上からではなく、飛行中の航空機からロケットを発射する「空中発射」というユニークな方式だ。

 具体的には、旅客機を改造した「L-1011 スターゲイザー」が高度3万9000フィート(約1万2000メートル)まで上昇し、そこから「ペガサスXL」ロケットを切り離して点火する。ロケットにはロボット宇宙船が搭載されており、宇宙空間でスウィフトとドッキングして、その軌道をより安定した位置へと押し上げる計画だ。

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NASA / Tom Tschida – Armstrong Photo Gallery: HomeinfopicGreat Images in NASA: Homeinfopic, パブリック・ドメイン, リンクによる

時間との戦い、最新技術で挑む

 スウィフトは打ち上げから約20年が経過しており、軌道の減衰(高度低下)が急速に進んでいる。NASAの天体物理学部門のショーン・ドマガル・ゴールドマン氏は、「軌道の減衰が早いため、これは時間との戦いです。しかし、すでに開発されている民間技術を活用することで、この課題に正面から挑みます」と意気込みを語る。

 Katalyst社のCEO、ゴンヒ・リー氏も「これは前例のない挑戦ですが、我々のロケットだけが軌道、スケジュール、コストの全てを満たすことができます」と自信を見せている。現在、最終的な統合テストや軌道計算が進められており、ミッションは来年6月に予定されている。

宇宙の脅威と監視の目

 NASAは最近、地球に接近する4万個もの小惑星を監視していると発表したばかりだ。また、謎の天体「3I/ATLAS」が実は宇宙船ではないかという噂への対応にも追われている。

 そんな中での今回のミッションは、人類が作った人工物が地球への脅威となるのを防ぐための重要な一歩となる。かつてスティーヴン・ホーキング博士は、高度な文明との接触がコロンブスのアメリカ大陸発見のような悲劇を招くかもしれないと警告したが、今のところ人類が直面している最大の課題は、自分たちが宇宙に送り出したものたちの後始末なのかもしれない。

参考:Daily Star、ほか

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