まるで悪夢… ロシアのパスポートをコピーしたら“完全にホラー映画”だと話題に

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画像は「Boing Boing」より

 インターネット上で拡散されているロシアのパスポートのコピー画像が、まるで悪夢のようだと注目を集めている。これらの画像は、VHS時代の不気味な映像を模した「アナログホラー」シリーズの没案アートかのような恐ろしい見た目をしているが、その原因は極めて平凡な技術的問題にあるという。

なぜ顔が「ホラー映画」になるのか?

 小さな証明写真をコピー機にかけると、いくつかの問題が同時に発生する。まず、コピー機のスキャナーが画像の階調(トーン)を潰してしまうのだ。本来なら滑らかな光と影のグラデーションが、極端な白と黒のコントラストに変換される。その結果、眼窩は虚無のような黒い穴に変わり、頬骨は骸骨のように浮き上がってしまう。さらに細かいディテールはぼやけて消え去り、輪郭線だけが不自然に強調されることになる。

 さらに事態を悪化させるのが、偽造防止用のホログラムだ。パスポートに施された透かし模様がスキャナーの光と予期せぬ反応を起こし、顔の上に奇妙な歪みやノイズを生み出す。また、元の写真印刷のドットパターンとスキャナーの解像度が干渉し合うことで、「モアレ」と呼ばれる波状の模様が発生することもある。

A passport photo isn’t as scary as the photocopies of it: Russian passport photocopies
byu/Fast-Kaleidoscope202 increepy

ネット民も震える「事務手続きの恐怖」

 これに低品質なコピー機や老朽化した機器が組み合わさると、出来上がるのは『マンデラ・カタログ』のような不気味な映像作品呪われたような顔写真だ。

 掲示板サイトRedditでは、実際に仕事で身分証のコピーを取っているユーザーが「スキャンした画像がホラー映画のようになるのは日常茶飯事だ」と証言している。中には、画像の歪みによって首がキリンのように伸びてしまった例もあるという。

 この独特の不気味さは、一種のアート的な美学として受け入れられつつあるようだ。ネットユーザーたちは、これらの画像をブラックメタルのアルバムジャケットや、ホラー漫画家の伊藤潤二作品、あるいは映画『ゼイリブ』のエイリアンの正体が暴かれるシーンなどに例えている。これらは、古びた事務機器が生み出した、偶発的な「官僚的ホラー」と言えるだろう。

 もし空港でこの顔のまま入国しようとしたら、別室送りは間違いないかもしれない。

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画像は「Amazon」より

参考:Boing Boing、ほか

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