最新鋭のAI監視システム、“クラリネット”に敗北… 武器と誤認し中学校がロックダウンする珍事

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画像はUnsplashMichael Myersより

 今週火曜日、フロリダ州オビエドにあるロートン・チャイルズ中学校で、思わぬ騒動が起きた。AI(人工知能)を搭載した自動武器検知システムが、生徒の持っていたクラリネットを「銃」と誤認し、校内が一時的にロックダウン(封鎖措置)に追い込まれたのだ。

 学校側は直ちに「コードレッド(緊急事態)」を発令したが、後に誤報と判明。メリッサ・ラウダニ校長は保護者へのメッセージで、「キャンパスへの脅威はなかった」と説明しつつ、「生徒が楽器を武器のように持っていたことが原因」として、学校で武器の真似事をすることの危険性を家庭でも話し合うよう求めている。

高額なAIシステム「ZeroEyes」への疑問

 この騒動の原因となったのは、「ZeroEyes」と呼ばれるAI監視システムだと言われている。セミノール郡の学校システムは、この「クラウドサブスクリプション」に25万ドル(約3900万円)もの費用を支払っているという。

 ZeroEyesは既存の監視カメラとAIを組み合わせ、銃を検知して脅威を未然に防ぐとうたっている。全米43州で導入されているが、実際にどれほどの脅威を阻止できたのかという問いに対し、教育委員会やZeroEyes社は明確なデータを示していない。「抑止力として役立っている」と述べるにとどまり、その実効性には疑問符がついている。

「偽の安心感」が子供たちを傷つける?

 専門家の中には、こうした高額で信頼性の低い監視システムが、かえって子供たちに悪影響を与えると指摘する声もある。国土安全保障省の学校安全諮問委員会にも名を連ねるマーロウ氏は、「監視や誤報、そして偽の安心感は、子供たちの安全を向上させるどころか、むしろ傷つけることになる」と警鐘を鳴らす。

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イメージ画像 Created with AI image generation

 AIブームに乗じて導入される監視システムだが、そのコストに見合う価値があるのか、そして誤検知がもたらす混乱のリスクについて、改めて議論が必要だろう。

 今回の件で、子供たちは「細長いものを持って歩けば学校を休みにできる」と学んでしまったかもしれない。

参考:Boing Boing、ほか

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