あなたはすでに「記録」されている!? 顔認証、IoT、DNA…海外事例から考える、逃げ場なき“監視社会”のリアル

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Image by Bertsz from Pixabay

 ジョージ・オーウェルが描いたディストピア小説の世界は、もはやフィクションではない──。そんな言葉が決して大げさに聞こえなくなった時代に私たちは生きている。

 かつてなら「また陰謀論か」と一笑に付されたであろう話も、監視技術が現実のインフラとして組み込まれた今では、単なる妄想とは言い切れない。

 テロ対策、防犯、効率化という大義名分のもと、国家や行政、そして巨大企業による“見えない監視”は、確実に進化を続けている。

 今回は、海外で話題となった「政府が(おそらく)あなたを監視している不気味な方法」を紹介しつつ、日本に住む私たちにとってそれがどこまで現実なのかを考えてみたい。

街に出た瞬間、あなたは「データ」になる

 家のドアを開け、一歩外に出た瞬間から、私たちは無数のセンサーとカメラに囲まれている。

1. 空港での顔認証と、誤認識という落とし穴

 飛行機に乗る際、顔認証や全身スキャンを受けるのは、もはや珍しい光景ではない。アメリカのTSA(運輸保安局)をはじめ、多くの国で顔認証技術が本格導入されている。

 便利である一方、この技術は決して万能ではない。海外では、顔認証システムの誤作動により、無関係の人物が犯罪容疑者と誤認された事例も報告されている。機械の“勘違い”が、人生に深刻な影響を及ぼす可能性は、決してゼロではない。

 日本の空港でも顔認証は使われているが、その目的は主に本人確認の効率化だ。とはいえ、データとして顔が記録される以上、「自分の顔がどこまで使われているのか」を意識する時代に入ったことは間違いない。

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2. 交通カメラは、あなたの行動をどこまで見ているのか

 街角の交差点や高速道路に設置された監視カメラは、もはや風景の一部だ。海外では、AIが運転中の行動を解析し、自動で違反を判定するシステムも登場している。

 中国では、運転中に顔を掻いただけで「通話中」と誤判定され、違反扱いされた例も報告されている。笑い話のようだが、当事者にとっては深刻だ。

 日本では、AIによる完全自動処罰は行われていないが、ナンバープレート認識や行動記録の精度は年々向上している。「常に見られているわけではない」と言い切れるほど、状況は単純ではない。

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Image by Peggy und Marco Lachmann-Anke from Pixabay

家の中は、本当に安全なのか?

 外に出なければ安心──そう考えたくなるが、必ずしもそうとは限らない。

3. PCのウェブカメラは、こちらを見ている?

 ノートPCやスマートフォンのカメラ。それは私たちが他人を見るための“目”であると同時に、こちらを見返す“窓”でもある。

 技術的には、マルウェアや不正アクセスを通じて、遠隔操作される可能性は以前から指摘されてきた。元FBI長官が、自身のPCカメラにテープを貼っていたという話は象徴的だ。

 日本で一般人が政府に監視される可能性は極めて低いが、「見られ得る環境にある」という事実自体は否定できない。

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4. 郵便物はアナログだから安全、とは限らない

 アメリカでは、郵便物の宛名面をすべて撮影・記録するプログラムが存在することが知られている。日本で同様の制度は確認されていないが、捜査の過程で郵便が調査対象になることはある。

 デジタルではないから安全、という時代は、すでに終わっているのかもしれない。

5. IoT家電という名の「無言の同居人」

 テレビ、冷蔵庫、スピーカー、エアコン──。インターネットに接続された家電は、私たちの生活リズムを正確に把握している。

 これらのデータは主に企業によって収集・管理されているが、情報が集まるということは、流出や共有のリスクも生まれるということだ。

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Image by Ersin D from Pixabay

身体そのものが「情報」になる時代

6. DNA検査が暴く、思わぬつながり

 DNA検査キットは、自分のルーツを知る手軽な手段として人気を集めている。だが海外では、そのデータが犯罪捜査の突破口となった例もある。

 日本では利用環境が異なるものの、「自分の遺伝情報がどこに保存され、誰がアクセスできるのか」という問いは、無関係ではない。

7. 医療データと、見えない管理

 処方薬や診療記録は、医療の安全のためにデータ化されている。日本でも匿名化された形で集計・活用されているが、個人の健康情報がデータとして存在する事実は変わらない。

8. スマホとネット履歴は、すでに常識の領域へ

 位置情報、検索履歴、通話記録。これらが記録されていることは、もはや誰もが知っている。問題は、「どこまでが許容範囲なのか」を、私たち自身が考えなくなっている点かもしれない。

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イメージ画像 Created with AI image generation

私たちは「見られている」のではなく「記録されている」

 この記事で紹介した多くの事例は、海外の制度や極端なケースを含んでいる。日本がガチガチの監視国家になっているわけではない。

 しかし、確実に言えるのは、私たちの行動・身体・生活は、かつてないほど細かくデータ化されているという事実だ。それが安全のためなのか、便利さの代償なのか。答えは一つではない。

 次にスマホのカメラを見つめるとき、あるいは郵便ポストを開けるとき、ふと思い出してほしい。「見ているのは、自分だけではないかもしれない」と。

参考:Listverse、ほか

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