チャレンジャー号爆発事故の「残酷すぎる真実」—— “手動で入れられた酸素スイッチ”が物語る絶望のラスト

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Public Domain(Wikimedia Commons

 1986年1月28日、世界中が息を呑んで見守るなか、スペースシャトル「チャレンジャー号」は打ち上げからわずか73秒後に空中分解した。乗組員7名全員が死亡するという、宇宙開発史上最悪の悲劇の一つだ。

 この事故について、私たちは長らく「爆発によって全員が即死した」と聞かされてきた。しかし、事故から約40年が経過した今、改めて浮上しているのは、彼らが「その瞬間」にはまだ生きており、死の直前まで絶望的な状況を自覚していたのではないか、という戦慄の説だ。

「爆発」ではなかった? 空中で孤立したクルー・キャビン

 まず整理しておきたいのは、あの日起きたのは厳密には「爆発」ではなかったという事実だ。右側の補助ロケットのシール材(Oリング)が破損し、漏れ出した高温ガスが外部燃料タンクを直撃。それが巨大な火の玉を生んだのだが、シャトル本体が粉々に吹き飛んだわけではない。

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右側のSRBから漏れ出す黒煙 NASA – NASA, パブリック・ドメイン, リンクによる

 最新の調査や当時の分析を振り返ると、乗組員が乗っていた「クルー・キャビン」は、火球の中からほぼ原形を留めた状態で放り出されていたことがわかっている。

 機体から切り離されたキャビンは、慣性で高度約1万5000メートルまで上昇を続け、その後、大西洋に向かって真っ逆さまに落下していった。この「落下している時間」を想像するだけで背筋が凍る思いがする。彼らは空中で、自分たちに何が起きたのかを理解していた可能性があるのだ。

遺された「酸素パック」が語る絶望の数分間

 NASAは当初、乗組員は即死だったと主張していた。しかし、後に回収された残骸からは、その説明を覆すような生々しい証拠が見つかっている。

 特筆すべきは、乗組員が緊急時に使用する「個人用避難用空気供給装置(PEAP)」だ。回収された4つのパックのうち、3つが手動で起動されていたのである。

 この装置は、衝撃で自動的にオンになるような代物ではない。誰かが意識を持って、わざわざスイッチを操作しなければならないのだ。つまり、火球に包まれた直後、少なくとも数名の宇宙飛行士は生存しており、マニュアル通りに生存への努力を試みていたことになる。

 さらに、パイロットのマイケル・スミスが通信が途絶える直前に「Uh oh」と呟いた記録も残っている。日本の感覚で言えば「おっと」という程度の軽いニュアンスにも聞こえるが、極限のプロフェッショナルが発したその一言には、取り返しのつかない事態への直感が込められていたはずだ。

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Public Domain(Wikimedia Commons

最後の2分45秒:静寂の中の落下

 ジョンソン宇宙センターの元生命科学ディレクター、ジョセフ・カーウィン博士の報告によれば、キャビンが海面に激突するまでの時間は、空中分解から約2分45秒。もしキャビンの気密が保たれていれば、彼らはその間、ずっと意識があったことになる。

 仮に急速な減圧が起きていたとしても、機体構造の損傷具合から見て、即座に全員が失神するほどの衝撃ではなかったという見方が強い。

 NASAが「即死」という説明に固執した理由は分からなくもない。遺族や国民の感情を思えば、「落下する数分間、彼らは生きていた」と認めるのはあまりにも残酷すぎるからだ。日本でも重大事故の際、遺族への配慮から詳細が伏せられることがあるが、それに近い心理的バイアスがあったのかもしれない。

 しかし、現実は非情だ。海面に激突した際の衝撃は、パラシュートなしでコンクリートに叩きつけられるのと同等だったとされる。宇宙への夢を乗せた教師、クリスタ・マコーリフ氏を含む7名は、どのような思いで青い海が迫るのを見ていたのだろうか。

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NASA – NASA Human Space Flight Gallery (image link), パブリック・ドメイン, リンクによる

語り継ぐべき「空白の時間」

 チャレンジャー号の悲劇は、単なる技術的失敗の記録ではない。極限状態においてもなお、酸素パックを起動させ、最善を尽くそうとした人間たちの尊厳の記録でもある。

 一見すると荒唐無稽な陰謀論のように聞こえるかもしれないが、こうした「不都合な事実」を掘り起こすことは、過去の犠牲を無駄にしないためにも必要なプロセスだと言える。

 今、人類は再び月や火星を目指そうとしている。その華々しいニュースの陰には、かつて空の果てで「空白の数分間」を生き抜こうとした先駆者たちがいたことを忘れてはならない。

参考:Daily Star、ほか

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