「失われたアーク(契約の箱)」の最終安置場所をついに特定!? 考古学者が最新技術でエルサレム地下に迫る

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「十戒が収められた黄金の箱」として聖書に記された契約の箱(アーク・オブ・ザ・コヴェナント)——その行方は、紀元前586年のバビロニアによるエルサレム侵攻以来、2600年以上にわたって謎のままだ。映画『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』でおなじみの”あの箱”と言えば、ピンとくる人も多いだろう。だがあれはフィクション。現実の考古学の世界では今もその所在をめぐる真剣な議論が続いている。

素粒子で地下を透視する——最新技術が「聖地の盲点」に迫る

 考古学者のクリス・マッキニー博士は、契約の箱がエルサレムの神殿の丘(テンプル・マウント)南側に位置する「ダビデの市」の地下空間に隠されている可能性を提唱している。

 注目されるのは、その調査手法だ。マッキニー博士らが活用を検討しているのは「ミュオン検出器」と呼ばれる装置。宇宙線が大気と衝突して生じる極小の素粒子(ミュオン)の動きを追跡することで、地面を掘らずに地下の空洞や金属を検出できるという技術だ。日本でも東日本大震災後の調査や古墳の内部確認などに応用されている。

 実際、この地域で行われた初期スキャンでは、これまで知られていなかった空洞や構造物が地下に存在することが確認されており、「地下トンネルに隠されている」という仮説と符合している。

 さらにマッキニー博士は、地中レーダー、地震波探査、電気抵抗トモグラフィーといった複数のリモートセンシング技術も将来的に活用できると指摘。契約の箱は内外を金で覆われているとされているため、もし現存するならば金属探知系の技術で反応を示す可能性がある、と述べている。

 ただし、現時点で「発見した」「場所が確定した」という話ではない。マッキニー博士はあくまで「長期的な可能性の探索」と強調しており、宗教的・政治的・現実的な障壁がいくつも立ちはだかっていることも認めている。神殿の丘はユダヤ教にとって最も神聖な場所であり、従来の掘削調査はほぼ不可能な状況だ。だからこそ、「掘らずに見る」技術への期待が高まっているわけだ。

3つの古代伝承——箱は「奪われた」のではなく「隠された」

 マッキニー博士が2025年4月7日に公開したドキュメンタリー『レジェンズ・オブ・ザ・ロスト・アーク』では、契約の箱の行方をめぐる3つの主要な古代伝承が検証されている。共通しているのは「バビロニアに奪われたのではなく、聖職者たちが意図的に隠した」という視点だ。

 第一の説は「神殿の丘伝説」と呼ばれるもの。バビロニアの包囲が迫る直前、神官たちが契約の箱をはじめとする神聖な品々を神殿複合施設の地下に隠した、というものだ。これは最も広く語られる説であり、研究者の間でも最も議論を呼んでいる。

 第二の説は「岩の伝説」。預言者エレミヤが箱を「二つの山の間にある謎めいた岩の場所」に隠したとする内容で、その正確な場所については諸説ある。エルサレム近郊の荒野とも、より遠方の山岳地帯とも言われている。

 第三の説は最も古い伝承とされる「ネボ山伝説」で、旧約聖書外典にあたる『マカベア書第二』に記されている。エレミヤが箱と他の聖物を携え、モーセの死と関連づけられるネボ山の洞窟か墓に隠したというものだ。モーセの埋葬地とされる場所の近くに眠っている、という含みがあり、なんとも詩的な話ではある。

 3つの説は細部こそ異なるが、マッキニー博士は重要な共通点を指摘する。いずれの伝承でもエレミヤが中心人物として登場し、エルサレム陥落直前という時系列で語られ、箱は「戦闘の混乱で失われた」のではなく「守るために意図的に隠された」とされている点だ。

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聖書の記述から最新科学へ——2600年越しの探索は続く

 聖書によれば、契約の箱はイスラエル人がエジプトを脱出した後、紀元前13世紀頃に制作されたとされている。モーセが神から授かった十戒の石板が収められ、ソロモン神殿(第一神殿)の最奥部「至聖所」に安置されていたと伝わる。その後、紀元前586年のバビロニア侵攻で姿を消した——それ以降の記録は存在しない。

 マッキニー博士はあくまで古代の文献と歴史的伝承を足がかりにした慎重なアプローチを取っており、派手な発掘作業より文献研究を優先している。それでも「新技術がもたらす可能性に興奮し、希望を持っている」と語っており、その目は確実に地下へと向いている。

 神殿の丘は考古学上の「最大の盲点」とも称される。宗教的・政治的な理由から「シャベルもコテも使えない」この聖地を、最先端の物理技術が静かに透視し始めているとしたら——その先に何があるのか、世界が固唾をのんで見守っている。

参考:Daily Mail、ほか

TOCANA編集部

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