「明日が人生最後の日」と信じて育った女性が明かす、終末を待つ父に課された奇妙な避難訓練

世界の終わりに備える「プレッパー」と聞くと、地下シェルターや山積みの保存食を思い浮かべる人が多いだろう。だが、ケルシー・ヴァンダーマイド氏の家族が選んだ備えは、少し方向が違っていた。
文明そのものから離れ、自給自足だけで生きる。そんな山奥の暮らしの中で、彼女は毎日のように「明日で世界が終わる」と信じて育ったという。
電気も水道もない森の小屋と20人のきょうだい
もともとヴァンダーマイド家は、ごく普通の生活を送っていたとされる。転機は、父親が聖書の予言を調べるうちに、世界の終わりが近いと確信したことだった。
父は子どもたちを連れて米モンタナ州の山中へ移り住んだ。電気も水道もなく、外の世界とのつながりもほぼ断たれた土地だ。一家は当初ティピーのようなテントで暮らし、その間に父が木造の小屋を手作りで建てた。
その小屋で最初に生まれた子どもがケルシー氏だ。父には一時期3人の妻がいて、子どもは最終的に20人にのぼった。大家族は全員で森の中で暮らしていたという。
子どもたちの日課は、ヤギの乳搾りや薪割り、畑での収穫といった実用的な仕事だった。社会が崩壊して食料の流通が止まっても生き延びられるよう、何にも頼らずに暮らすこと自体が備えだったのだ。そのため、シェルターを掘ったり食料を買いだめしたりはしていなかったという。

リャマに荷を積む「世界の終わり」の予行演習
ケルシー氏は、アウトドア系YouTuberのダン・ベッカー氏のポッドキャストに出演し、子ども時代の体験を語っている。中でも印象的なのが、父が子どもたちに繰り返させた訓練だ。
非常用バッグとサバイバルキットを詰め、飼っていたリャマに荷物を積み込み、世界が今まさに終わるという想定で動いてみる。ケルシー氏はそれを、終末に向けた予行演習だったと振り返っている。
番組の紹介文によれば、彼女の子ども時代にはほかにも、9歳でピューマと鉢合わせしたこと、人里離れた敷地にSWAT部隊が踏み込んだことなど、にわかには信じがたい出来事が続いていたという。後に連続殺人犯と判明するイスラエル・キーズが、一家の小屋に滞在していたこともあったとされる。
窓際の席で見張り続けた高校生活は何を残したのか
父の警戒がさらに強まったのは、ケルシー氏が森の暮らしを離れて高校に通いたいと決めたときだった。
父は彼女に、教室では必ず窓際に座って外を見張るよう言い聞かせた。軍隊やSWATのような部隊が近づいてくるのが見えたら、すぐに山へ逃げろというのだ。
ケルシー氏は、父が近いうちに国が乗っ取られると確信していたため、家には常に恐怖が満ちていたと語る。彼女自身も、世界は明日終わる、次の日が人生最後の日になると信じながら生きてきたという。
紹介文によれば、学校に入った後の彼女の人生は一時暗い道をたどったものの、やがて希望と心の回復、そして信仰を見出したとされる。
ノストラダムスの大予言に身構えた世代なら、「世界の終わり」を本気で待つ感覚に心当たりがあるかもしれない。予言の日はまだ来ていない。それでも、窓の外を見張り続けた少女が最後に見つけたのは、逃げ込む山ではなく、明日を信じる理由だったようだ。
参考:UNILAD、Dan Becker(YouTube)、ほか
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊「明日が人生最後の日」と信じて育った女性が明かす、終末を待つ父に課された奇妙な避難訓練のページです。終末、サバイバル、終末予言などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで