29年後に着陸した消えた旅客機、全米のテレビに流れた「悪魔の声」… ファクトチェックサイトが検証した「歴史の怪談」9本の真相

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 SNSには「昔、本当にあった」とされる怪談が絶えず流れてくる。

 ファクトチェックサイトのSnopesは2026年10月、ハロウィン企画として、過去に検証した「歴史にまつわる怪奇譚」9本をまとめて公開した。判定は真っ赤な嘘から意外な「本当」まで、さまざまだ。

1. 牧場の地下から見つかった失踪女性の車
2. 29年後に着陸した行方不明の旅客機
3. 失踪者のミイラだった博物館の蝋人形
4. フィリーズ初代マスコットの不気味な写真
5. オーディションに並ぶ黒猫の行列
6. ドラキュラの「廃城」の写真
7. 19世紀の「吸血鬼退治キット」
8. ハリケーン後に漂着した18世紀の幽霊船
9. 全米のテレビに流れた「悪魔の声」

1. 牧場の地下約4mに眠っていた「空色のフォード」

 1951年にテキサス州アマリロ近郊で消えた女性の車が、73年後に富豪一族の旧牧場の地下約4m(13フィート)から掘り出されたという話だ。判定は「False(誤り)」。人物も一族も実在の痕跡がなく、元ネタとみられるYouTubeチャンネルは、内容がフィクションだと自ら断っていた。

2. 時間が止まったまま帰ってきた旅客機

 1962年に消息を絶った旅客機が1991年にチリの空港へ着陸し、乗客は誰も年を取っていなかったという。判定は「False」。タブロイド紙が繰り返し載せてきた「消えた旅客機の帰還」系の作り話とよく似ているという。

3. 50年間展示された「沈黙のサム」

画像は「Facebook」より

 ミズーリ州の小さな博物館で半世紀飾られてきた蝋人形が、実は失踪男性のミイラだったという物語。判定は「False」。博物館も学芸員も刑事も実在が確認できず。

4. 「踊るオランダ人」とネズミのチョンシー

 1883年のフィリーズ初代マスコットとされるセピア写真は「Miscaptioned(説明が誤り)」。球団のマスコット登場は1971年からだ。写真自体はAI生成の形跡がなく、1875〜1955年の仮装写真を集めた写真集『Haunted Air』が出どころとみられる。仮装の主は名もなき誰かだ。


5. 152匹の黒猫が並んだオーディション

 9本中、唯一「True(真実)」と判定されたのがこれ。1961年にLIFE誌の写真家ラルフ・クレイン氏がハリウッドで撮影したもので、ポーの短編『黒猫』を含む映画『Tales of Terror』(1962年)の役を求めて152匹が集まった。ところが主役は有名なプロの猫に決まっており、選ばれたのは特に目つきの悪い7匹の控え役だけ。猫の世界も芸能界は甘くない。

Black cats waiting to audition for a horror film in 1961
by u/mr_dhruv__dhruvhub in Catswithjobs

6. ドラキュラの「廃城」は王妃の夏の住まいだった

 1920年代のブラン城(ルーマニア)の写真は本物だが、判定は「Miscaptioned」。城は串刺し公ヴラド3世の居城ではなく、撮影当時はマリア王妃の夏の住まいだった。もっとも、ヴラドが1462年の逮捕後に一時ここへ囚われたと推測する歴史家もいる。

Dracula’s Castle, Romania 1920.
by u/ckahrens94 in OldSchoolCool

7. 吸血鬼退治キットの「本当の年齢」

 十字架、拳銃、聖水瓶、杭と木槌を収めたキット。2022年に19世紀末の貴族の旧蔵品として競売にかけられ、約1万3000ポンド(約274万円)で落札された。判定は「Miscaptioned」。英国王立武具博物館のジョナサン・ファーガソン氏は、この種のキットは吸血鬼映画が流行した20世紀中盤以降に生まれたものだとみている。

8. ハリケーン後の幽霊船、正体は「フライング・ダッチマン号」

 2024年のハリケーン・ミルトン後、フロリダの浜に1700年代の幽霊船が漂着したという投稿は「Labeled Satire(風刺と明示)」。発信元は風刺を名乗るFacebookページで、画像は『パイレーツ・オブ・カリビアン』の撮影用の船とみられる。伝説の幽霊船の名を冠した船だったのは皮肉な話だ。

9. 全米のテレビが消えた25秒間に聞こえた「悪魔の声」とは

 1968年8月29日、全米のテレビが一斉に約25秒途絶え、悪魔の声のようなつぶやきが流れたという話。判定は「False」。記録も目撃証言もなく、2014年以前の言及すら見当たらないネット発祥の怪談とみられる。全米のテレビを同時に止めるなど悪魔でもない限り無理だと、Snopesは皮肉っている。

 9本のうち「本当」だったのは黒猫の行列だけ。ただ、写真集の仮装の主は今も名前すら分からず、ブラン城には囚われのヴラドの影が残る。少なくとも152匹の黒猫が一列に並んだ日が実在した以上、歴史はときに怪談より奇妙なのだ。

参考:Snopes、ほか

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現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.02 20:00心霊

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