名作映画の記憶を「催眠術で消す」!? 『マトリックス』『インターステラー』をもう一度「初見」で味わわせる、映画会社の奇妙な実験

大好きな映画ほど、二度と「初めて観る」ことはできない。結末を知ってしまった以上、あの衝撃はもう戻ってこないのだ。
ところが、その常識に催眠術で挑もうとする映画会社が現れた。フランスの映画製作・配給大手パテが、観客の頭から名作映画の記憶を消し、もう一度まっさらな気持ちで鑑賞させるという、なんとも大胆な実験を企画しているのである。
催眠術師と30人の映画ファン、企画「パテ・リワインド」の中身
この企画の名前は「パテ・リワインド」。巻き戻しという名のとおり、記憶を観る前の状態まで戻そうという試みだ。協力するのは催眠術師のヴィクトール・クレーマー氏で、対象となるのは選ばれた映画ファン30人である。
参加者は、映画の好み、参加への動機、日程の都合、そしてプロモーションへの協力に同意しているかといった観点から選ばれたという。募集はすでに締め切られている。
選ばれた30人は、まずクレーマー氏とのオンライン個別セッションで催眠を受ける。さらに上映直前にもう一度催眠をかけられ、その直後に大スクリーンで作品が流される段取りだ。
上映会は11月9日(月)、オランダ・ハーグの映画館「パテ・ビュイテンホフ」で行われる予定となっている。
『セブン』の箱の中身を、もう一度知らない自分に戻れるか
上映作品の候補に挙がっているのは、『マトリックス』『セブン』『ラ・ラ・ランド』『インターステラー』の4本。最終的にどれを流すかは、参加者30人にとって最もなじみ深い作品を基準に決めるという。
あえて「よく知っている映画」を選ぶ点がミソだ。記憶が鮮明なほど、消えたかどうかがはっきり分かる。『マトリックス』の世界の正体も、『セブン』のラストで届く箱の中身も知らない自分に戻れたら、それはもう一種のタイムマシンと言っていい。
もっとも、主催者側も効果には慎重だ。パテは、催眠がうまくいく保証はなく、催眠セッションの結果や影響について一切の責任を負わないとの免責事項を掲げている。催眠という手法の有効性を主張するものではなく、新しい映画体験につながるかを探る試みだという位置づけらしい。
『エターナル・サンシャイン』の世界は現実になるのか
狙った記憶だけを消すというアイデアは、映画の世界ではおなじみのテーマだ。『トータル・リコール』や『エターナル・サンシャイン』は、まさに記憶の消去や書き換えを物語の軸に据えた作品である。
とはいえ、現実の催眠術でそれを再現できるかは未知数だ。結局のところ効果は参加者個人によって大きく変わると考えられ、仮に数人が本当に忘れたとしても、誰にでも効く方法として広まる可能性は低いとの見方もある。
それでも、上映が終わったとき、客席のどこかで「なんて斬新な映画だ」と目を輝かせる人がいたとしたら。それは映画史に残る、最も贅沢な鑑賞体験になるかもしれない。ただし、それが二度目の感動だと知らないのは、世界でその本人だけなのである。
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2024.10.02 20:00心霊名作映画の記憶を「催眠術で消す」!? 『マトリックス』『インターステラー』をもう一度「初見」で味わわせる、映画会社の奇妙な実験のページです。記憶、催眠術、映画などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで
