「アンネの日記」破損被害はなぜ起きたのか? 犯行の意図は?
こんにちは、陰謀社会学研究科家の聖橋乱丸である。
今年の2月に入り、東京都内の公立図書館に所蔵されているアンネ・フランクの日記や、ホロコーストに関する書籍のページが破られる被害が相次いでいる。その被害は杉並区・中野区・練馬区・新宿区・豊島区・武蔵野市・西東京市・東久留米市にまたがり、300冊以上にのぼっているという。
特に杉並区と中野区の当局者によると、これまでに少なくとも167冊の本のページが破られ、その大半は「アンネの日記」だという。いずれも一部のページをちぎり取るような形で損壊されており、その内容は悪質である。
「アンネの日記」は、ゲシュタポに荒らされた隠れ家の中に残され、支援者に大切に保管された後に、戦後唯一生き残ったアンネの父オットー・フランクによって出版された本で、オットーは娘アンネの「戦争と差別のない世界になってほしい」という思いを全世界に伝えるため、日記の出版を決意したといわれいる。「アンネの日記」は60以上の言語に翻訳され、2,500万部を超える世界的ベストセラーになった。日本語版は昭和27年に『光ほのかに アンネの日記』というタイトルで文藝春秋から出版されたのが最初である。
1944年7月15日の『アンネの日記』には次のような記述がある。
「自分でも不思議なのは私がいまだに理想のすべてを捨て去ってはいないという事実です。だって、どれもあまりに現実離れしすぎていて到底実現しそうもない理想ですから。にもかかわらず私はそれを待ち続けています。なぜなら今でも信じているからです。たとえ嫌なことばかりだとしても人間の本性はやっぱり善なのだと」(「アンネの日記」(文藝春秋)より引用)
この言葉はアンネ・フランクの代表的な言葉としてよく引用されている。アパルトヘイトと対抗したネルソン・マンデラ氏は、つらい時にこの「アンネの日記」を読んで、勇気づけられたと生前語っており、特にこの代表的な記述を見て、自分も希望を失わなかったということを言っているほどある。
その「アンネの日記」が日本の東京で破られているという。また、「アンネの日記」と一緒にホロコーストに関する書籍などに関しても被害にあっていることから、犯人は「ユダヤ教が主張するホロコーストに反対する人物」ということだと、一般的にはみられている。
■事件に関するさ政治家・評論家などのコメント
この事件に関して、オランダ・アムステルダムの博物館「アンネ・フランクの家」は「ショックを受けており、詳細な事実を知りたい」とのコメントを出した。また、米国ロサンゼルスを拠点とするユダヤ人の人権団体サイモン・ウィーゼンタール・センター(SWC)で副センター長を務めるラビ、アブラハム・クーパー氏は、「これは、第2次世界大戦中のホロコーストで、ナチスに殺害されたユダヤ人の子ども150万人の中で最も有名なアンネ・フランクの記憶を汚すものだ。被害発生が広範囲に及んでいることから、組織的に行われた可能性が極めて高い」と被害に対する衝撃を口にした。
当然、日本の政府もこの事件に対して遺憾の意を表している。菅義偉官房長官は2月21日の定例会見で「わが国として受け入れられるものではなく、極めて遺憾なことであり、恥ずべきことだ」と語った。
一方、評論家の岩上安身氏は、ツイッター上で「ドイツのネオナチの歴史修正主義の主張同様の主張がまかり通り、それが南京大虐殺はなかったとか、従軍慰安婦はなかったといった日本版歴史修正主義と結びついて火を噴き始めた」とコメントし、さらに、東京都知事選での田母神候補を支持した人々に対しても「田母神氏の支援者の中に、ヒトラー生誕125周年を祝おうという者がいるという」という内容で批判した。
この事件に関する政治家たちの解釈もさまざまで、民主党の細野豪志衆議院議員は「レイシズムと対決し、表現の自由を守る姿勢を安倍晋三首相が国際社会に表明すべき」とした。
他方で、日本維新の会の中山成彬衆議院議員は「ディスカウントジャパンに精出す国、安倍総理をヒットラーに例える国もある」とツイートした上で、この事件は「日本人の仕業ではなく、日本を貶めようとする何者かの仕業である」との自身の見解を示唆した。
さて、この事件に関しては、様々な情報が入っており、日本の警察も捜査をしている。特に、各公立図書館の監視カメラの映像などを分析しているようであるし、また、各図書館の該当日の入出記録や当該書籍の貸し出し記録などを確認しているという。
これらの点を踏まえたうえで、以下に、この事件による利害関係から、筆者が「陰謀論的に推測」した事件の裏側を記してみよう。
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊深夜のパチンコ屋にうつむきながら入っていく謎の男達と不思議な警察官【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.09.18 20:00心霊「アンネの日記」破損被害はなぜ起きたのか? 犯行の意図は?のページです。アンネの日記、意図、犯行、破損などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで