「グルは死んでいない、冷凍庫で瞑想中だ!」 カリスマ導師の火葬を拒否する信者たち、遺族と“争奪戦”を繰り広げる!!

 医師によると、導師マハラージ氏は1月末に心臓発作で死亡しているが、彼の忠実な信者はそれを受け入れない。信者たちは導師が「サマディ(samadhi)」と呼ばれるスピリチュアル状態に入っていると信じている。そして彼の身体をインド、パンジャブ州のジャランダル郊外にある教団の巨大な静養所に運び、冷凍庫に入れて彼の目覚めを4カ月間待ち続けている。そこには、教団の上位の者か教団付の医師しか入れない。

 パンジャブ州の警察は、当初彼の死を確認した。しかし州の高等裁判所は後に、何故かそのレポートを却下する。州政府当局者は、「これは精神的な問題であり、信者に教祖の死を信じる事を強制できない」と語った。また、英紙「デイリー・テレグラフ」によると、現在、導師の妻と息子のディリップ・ジャ(40歳)は火葬の為、導師の遺体を引き渡すように裁判所に異議申し立てを行っている。さらに同時に、導師の死について調査するよう警察に依頼。家族の申し立てによると、信者たちはガードマン付きの冷凍庫に導師の遺体を保管し、彼の莫大な富の財産分与を主張しているといわれている

 教団のスポークスマン、スワミ・ビシュラナンド氏によると、「歴史上、多くのスピリチュアル・リーダーは、冷凍庫の様なヒマラヤで、瞑想状態で何カ月も生き続けた」と言う。また彼は「導師は『私の身体を守れ』というメッセージを信者たちに今も送ってきています」とも語っている。

 教団のウェブサイトには、

「聖下シュリ・アシュタシュ・マハラージは、2014年1月29日より深い瞑想状態に入っている」
「DLAMは多くの信者やグループが電話、電子メール、メッセージ、現地訪問を通じて、教団への献身を再確認していることに感謝する」
「教団はどの様な状況下にあっても、教団を支持すると言うあなた方の誓約に答える」

 等々の声明が記載されている。また、パンジャブ州法務官、リータ・コーリ氏は次のような声明を出している。

「その男性は臨床的には死んでいます。しかし、信者達がその遺体をどうするか決めるのは彼ら次第です」(コーリ氏)


 以前、日本でもカルト教団が病院から重病の信者を連れ出し、死亡させた事件があった。その際、彼らは導師がその遺体を生き返らせることができると考えたが、後にミイラ化させてしまったという。日本の場合は結局警察が介入して解決したが、インドの警察はこの問題に介入したくないようで、コメントも腰が引けている。さて、導師はあとどのくらいの間、冷凍庫の中で瞑想を続けなければいけないのだろうか?
(文=美加リッター)

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