地球は6度目の【大量絶滅】に向かっている ― 人類は恐竜の二の舞か? (科学誌発表)
■生態系の破壊も大量絶滅の引き金に
この“人災”は乱獲や駆除によるものだけではない。生物を絶滅に導く“人間活動”の最も致命的なものは、生息地の破壊や過度の土地開発などの直接的な自然破壊である。またそれと同じく深刻なのは、人間の活動によってその土地固有の微生物が死滅してしまったり、あるいは逆に人間によってその土地に本来存在しなかったはずの病原体が持ち込まれるなどして、生態系のバランスが崩れてしまうことであるとディアゾ教授は述べている。
論文によると、ケニアでは国内の数カ所のエリアでシマウマ、キリン、ゾウなどの大型動物を締め出し、大型動物の不在が生態系にどのような影響を及ぼすかを調べる実験が行われた。すると、実験エリアは予想を上回るペースで草や低木が繁茂し、ネズミのような野生のげっ歯類が爆発的に増えたという。草むらに簡単に身を隠すことができるため、天敵に襲われる危険性も減り、植物の種子などの食物にも事欠かない環境の中で、野生げっ歯類の生息数はたちまち2倍近くにまで増加したのだ。そしてこれは、げっ歯類に宿る寄生虫を媒介とした病気が広まる確率も2倍に高まったことを意味する。このエリアでペストのような病気が発生すれば、瞬く間に広がり大量絶滅の引き金になり得るということだ。
ディアゾ教授は、種の絶滅とは単純に地球上からある種がいなくなるということではなく、複雑なエコシステムの重要なパートを失うことでもある点を強調し、我々は個々の生物が果たしている環境への役割にも注意を払わなければならないと述べている。
果たして、このまま地球は6回目の大量絶滅の時期を迎えてしまうのか……。しかし「Web Pro News」の記事によれば、研究者たちはこの事態を好転させることが可能であると考えているらしい。そのカギは自然環境の「再森林化」「生物生息環境の再生」にあるという。特定の生物を本来の生まれた場所へ戻し、人間の手で“動物相(fauna)”を再構築することで、この危機を乗り越えられるようだ。具体的なプランは専門家に委ねるしかないとしても、一般の我々にできることは“エコ”な生活を心がけるに尽きるということだろうか。夏を迎えウナギ料理が目につく季節だが、今や日本人にとって身近なニホンウナギでさえも絶滅危惧種に指定されてしまった。今のうちに食べるか、食べる食習慣そのものを止めるのか。卑近な例で恐縮だが、今後このような小さな決断を迫られることが増えてきそうな気がしてならないこの頃である。
(文=仲田しんじ)
参考:「Daily Mail」、「Web Pro News」、「Mirror」ほか
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