【ホント?】大麻がエボラ出血熱の特効薬として注目される

 この論文の発表が世界中の懸念を増加させ、現在、各国政府と多くの医療機関で新たなエボラ治療法の開発に向けた必死の取り組みが行なわれている。ちなみにこの論文の執筆者の1人、シェイク・ウマル・カーン医師(39歳)は100人以上の感染者の治療に奮闘し「シエラレオネの英雄」と称されたが、残念ながらエボラに感染して7月29日に亡くなっている。


■大麻に含まれる化学物質「カンナビノイド」とは 

 エボラウイルスは人体の細胞間情報伝達分子であるサイトカインを過剰に産生させ、いわゆる「サイトカインストーム(Cytokine Storm)」を引き起こし感染者を死に至らしめるといわれている。サイトカインストームは肉体を毒素性ショック状態(Toxic Shock)に陥らせ、血管の中に多数の微小な血栓を形成することにより多臓器不全を発症させて死へと導くのだ。

 人体が作り出すサイトカインの生産をコントロールすることができれば、エボラに感染しても毒素性ショック状態に陥ることはないのだが、この鍵を握るのがなんと大麻であるというのだ。大麻は自然界の中で最もサイトカインの生産を安定させる生薬のひとつであるという。

 元・胸部心臓外科医のデイビット・アレン博士は、大麻に含まれる化学物質のカンナビノイド(cannabinoid)は人体の免疫機能のコントロールを司り、ウイルス感染に対する耐性をもたらす優れた抗感染作用を有していると、大麻医療情報サイト「Cannabis Digest」で主張している。カンナビノイドは既に、菌類やバクテリアの繁殖を抑制し、これまでの抗菌物質と異なる働きの新しい抗菌物質であると見なされているという。

「さらなる研究とテストが必要とされているが、幸運なことに、カンナビノイドは生で食べる分には危険な副作用がないため、(特別な医療体制がなくとも)エボラ感染地帯を広範囲に医療支援することができる」(デイビット・アレン博士)


■大麻が医療の世界に出る時が来た

 医療情報サイト「NewCure.org」の創立者、ブレッド・ムーアハウス氏もまた、大麻はエボラの致死率を劇的に低下させ、予防はおろか治療にさえ有益であると同ウェブサイトで言及している。

「十分なリサーチは既に終わっている。最新の研究では大麻は様々な病状、 ―例えばハンセン病― に効果があることが分かっている。また、大麻は自然生薬として最高の抗レトロウイルス薬であることから、現在はHIVの治療に用いることや、免疫機能の増強を目的にした研究が行なわれている」(ブレッド・ムーアハウス氏)

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