想像上の食事で体を騙す!? 「夢のダイエット薬、フェクサラミン」の開発なるか？

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■「夢のダイエット薬」の実現へ

　細胞のFXRs(ファルネソイドX受容体)の働きは10年以上前から注目されており、これまでも世界中の研究者がFXRsが持つ消化と体重の増減に関わる重要な働きを理解しようと研究を重ねてきた。

　日本ではあまり行なわれていないが、胃バイパス手術などの減量手術(weight-loss surgery)に携わる医師や科学者の間でも最近になってこのFXRsの働きが注目されているという。

　減量手術の成功は、胃の切除などによって栄養摂取機能が低下することよりも、手術をきっかけにしてFXRsの働きが活性化されることにあるという考えが主流になっているということだ。

　もちろん製薬会社もFXRsの機能に早くから注目し、これまでにも様々なダイエット薬を開発してきたが、どれも副作用が強く製造中止を余儀なくされているという。

　FXRsは人体の肝臓、腎臓、副腎をはじめ実に様々な器官に配置されているため、薬が意図している以上の影響を人体に与えてしまうということらしい。

　しかし、エバンズ氏のチームが今回の実験で用いたフェクサラミンにはまだ改良の余地があり、胃と腸の細胞にだけに働くように鋭意開発中であるという。

　飲むだけで簡単に痩せられる「夢のダイエット薬」の登場がこの実験で一挙に現実化してきたことは確かだが、この薬に依存して1日に4食も5食も“食べる”大食漢が増えてきそうな予感も……。

　あくまでも体脂肪は有酸素運動で燃やすのが基本であると再確認したいところだ。

参考：「Popular Science」ほか

文＝仲田しんじ

仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター　@nakata66shinji

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