自ら望んで目を潰した女 ― 自傷行為の“必要に迫られる”奇病
■「これが自分の本当の姿です」
9年経った今、ジュエルさんは盲人会にも顔を出し、以前よりずっとハッピーに生きていると笑う。「Barcroft TV」のインタビューにも「私は正しい選択をして、まったく後悔していません。これが自分の本当の姿です。本来なら生まれつき盲目のはずだったのでしょう」と語っている。唯一残念なのは、家族に対して「事故で目が不自由になった」と説明していたところ真実を知られてしまい、勘当されてしまったことだ。しかし、元フィアンセであるマイクさん(50歳)は彼女の手足となり、日常生活をサポートしてくれている。実は、彼も加齢黄斑変性による視覚障害者なのだ。
ジュエルさんは現在、大学で教育学を学ぶ傍ら、自分の体験を語ることで同じように苦しむ人びとの助けになろうと活動している。
「気持ちは痛いほどわかりますが、自分で目を潰すのは思い留まってほしいですね。いつの日かBIIDの治療法ができるかもしれないから、それまで待ってほしい。どうしても失明したいときは、とにかく専門家に相談すること。自己流で失明しようとするのは、本当に危険なことだから」と、経験者なりのアドバイスをしている。
なかなか一般人には理解し難い障害であり、決断も、その手段も非常にドラスティックだが、ジュエルさん本人が後悔していないことが、なによりの救いといえるのだろう。
(文=佐藤Kay)
参考:「Medical Daily」、「Barcroft TV」ほか
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