“第二の杉沢村”と呼ばれた「地図にない村」を訪れて ― 樹海近郊にひっそりと佇む集落に潜入
さらに歩を進めていくと、ピアノ教室と、そこから少し離れた場所に、この地域で唯一の学校である精進小学校を見つけることができた。これらの存在を鑑みれば、我々が思うよりも多くの子どもたちがこの集落で暮らしているのだと考えられる。だがその実、今回の探索中に子どもの気配はさほど感じられなかった。他の地域からこんな山深い場所へと毎日通学してくるとも思いがたいだけに、なんとも奇異な印象を受けざるを得ない。その他、郵便局やバス停など、また、案内図を見る限り、これらのほかにも保育所や個人商店、さらにはゲートボール場など、生活感を持った施設はあるにはある。だが、それでいて人気がほとんど感じられないことが、より一層、不可思議な空気を醸し出している。郵便局の中に灯る小さなあかりが、いくばくかの安堵を与えるのみだ。
ひたすら地図や航空写真を眺めていると、この広い世界の中には、実に奇妙な場所や構造物などが思いのほか数多く、存在していることに気づかされる。それらは独特な佇まいゆえに、時として、あらぬ誤解や、理解に苦しむ奇怪な印象を見る者に対して与える。しかし、それは今回ご紹介した民宿村のように、ある種の必然性によって生み出されたものであるのかもしれない。
(写真/文=Ian McEntire)
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2024.10.02 20:00心霊“第二の杉沢村”と呼ばれた「地図にない村」を訪れて ― 樹海近郊にひっそりと佇む集落に潜入のページです。樹海、地図にない村、Ian McEntire、集落などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで