1時間に2回セックスすることで男性の生殖能力は3倍になる! 不妊治療界の通説が覆る

 これは不妊治療界の通説である「妊娠力をあげるためには、精子を無駄撃ちせずにためておくことがポイント」であるという説を真っ向からひっくり返すものであり、物議をよんでいる。実際、NHS(イギリスの国民医療サービス)のガイドラインでも、妊娠を目的としたセックスであるならば、女性の排卵のタイミング合わせて、少ないとも2日間はセックスを控えて、精子をためておくことが、妊娠の可能性をあげるためには重要なポイントであるとしている。

 だが、今回の結果によれば、射精を繰り返すことによって、新しい精子をつくり出し、ためておかれた古い精子よりも、つくられたばかりの精子のほうが受胎性が高いということが明らかになってきたわけである。バーミンガム大学のジャクソン・カークマンブラウン生殖科学博士も「大きな誤解が蔓延している」と発言している。今回のリサーチは、体外受精(IVF)と子宮内受精(IUI)とでの受精成功率の比較の調査の一環として行われたものであったが、今回の結果によって既存の体外受精での成功率24%と比較しても遜色なく、体外受精にかかる6000ポンド(約111万円)と比較して10分1ほどの費用で済むこのローテクな不妊治療を促進していくべきであるとの声さえあがってきているという。

 逆に、精子の量を減らし、質を低下させる原因のひとつとしてサイクリングがあげられている。ハードなサイクリングによって体内に炎症反応の一部としてサイトカインという物質がつくられ、このサイトカインが精子の形成に影響を及ぼすことが知られている。特定のサイトカインが、精子の形状と機能に損傷をあたえるというものである。サイクリング特有のピッチリとしたウェアのため睾丸が効率良く放熱するができないことや、サドルという身体への負担の大きい椅子に長時間座っていることも、精子の形成には影響があるとしている。

 おそらく、ここで言われているサイクリングとは、負荷の高いスポーツサイクリングのことであろうが、妊娠を目的とするセックスを望まれている方は、過度なサイクリングを控え、セックスの回数をできるだけ増やしてみるというのも、ひとつの手段ではなかろうか。
(文=高夏五道)

参考:「Daily Mail」ほか

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