「反日精神は脊髄反射であって思想ではない」ラブホ最上階に住み三重スパイを疑われた在日韓国人が激白!
■自称平和運動家に言いたい
拉致問題事件の際、スクープを狙おうとして総連に詰め掛けたマスコミに対してもこう綴っている。
《脱北者や人民の窮状を憂うのは勝手であるが、総連の末端にだって人権があるし、家族もいて生活もあるのだ。彼らはジャーナリストや人権屋の10倍も20倍も北のことを気にかけているし、北の善悪の判断や、取り扱いのさじ加減もわかっている。理解しないのは無知な記者や、昨日や今日に憲法9条だのフリーチベットだの原発だのレイシズムだのLGBTとかいう単語を覚えたような自称平和運動家、リベラリストだ。何も背負うことがない彼らが安全な位置から革命家気取りで大口を叩く様子は気楽そうでなによりである》
Y字路に立たされ続けた著者が出した答えのひとつは、たとえ国籍が違っても、身近にいる相手の言葉や考え方に敬意をはらうことだったのかもしれない。それが、三国の主張を同じように尊重する姿勢にもつながっているといえるだろう。
■反日精神は脊髄反射であって思想ではない
本書には、在日韓国人としての暮らし、北朝鮮の人々の暮らし、総連記者としての暮らし、韓国人としての暮らしや考え方が面白おかしく記録されている。そこに押し付けがましい思想は一切書かれていない。反日精神についても、それは脊髄反射であって思想ではないと冷静に語られている。
ヘイト本が売れに売れているという日本だが、それはそれで流行なのだから仕方ない。だが、こうしたファンキーで大人な目線をもつ人間が書いた本も読んでおかないと、凝り固まった思想に脳ミソをやられた“つまらない人間”になってしまうだろう。安易なヘイトを鵜呑みにして、北朝鮮や韓国に負の感情を抱きつつある人は、一度は読んでみるべきである。
(編集部)
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