サルの頭部移植手術が成功「残すは人間のみ」! 1日も早い倫理的問題の議論を!
現在、イタリア・トリノ大学のセルジオ・カナヴェロ医学博士が、世界初の「頭部移植手術」の実現に向けて着々と準備を進めていることは以前トカナでもお伝えした通りである。世界中ですさまじい反響を巻き起こしている博士の計画だが、このまま事が順調に運べば、2017年にロシア人コンピュータ科学者のヴァレリー・スピリドノフ氏に対して実施される見込みとなっている。
この手術計画が判明した昨年、まるでカナヴェロ博士に対抗するかのように中国・ハルビン医科大学のシャオピン・レン博士が「マウスによる頭部移植実験に成功した」と発表、各国のメディアを沸かせているが、倫理的問題を置き去りにして、いま人類が頭部移植の実現に向けてひた走っていることは紛れもない事実なのだ。そして今月、とうとうカナヴェロ博士が「サルの頭部移植実験に成功した」ことを明かしたという。
■ついに霊長類で頭部移植手術が成功!
今月19日、英国の科学系メディア「New Scientist」が報じたところによると、現在カナヴェロ博士は、なんと研究ライバルであるはずのレン博士や、韓国・建国大学病院の研究者たちと共同で頭部移植実験に関するデータ収集に取り組んでおり、今回はその一環としてサルに対する頭部移植手術を行ったとのことだ。
メスを握ったのは中国のレン博士であり、サルの頭部と胴体の血管を結合することに無事成功、手術後のサルは安楽死させられるまで約20時間を生き抜いたという。また、移植された頭部では脳細胞の損傷も見られなかった。カナヴェロ博士によれば、今回は脊髄の結合まで行われていないため、たとえサルを生かしておいても首から下を動かせることはできなかっただろうとしながらも、次のように語っている。
「これによって、頭部をマイナス15度まで冷やせば、脳にダメージを与えることなくサルが手術を乗り越えられることがわかりました」
「(人間への)頭部移植手術の実現に向け、大量のデータが集まりつつあります」
今後、サルの頭部移植の詳細については学術誌「Surgery and CNS Neuroscience & Therapeutics」で発表される予定となっているが、今回公開された手術後の写真には、太い糸で首を縫い合わされたサルの姿が収められている。どうやら、実験が行われたことは確かなようだ。
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