■ただ楽しいと思うことをやっているだけ(服部)︎

―― お二人は、登山と写真という各々の表現ジャンルで相当エッジを行っていると思うんです。サバイバル登山はある意味でエクストリームだと思いますし、石川さんは写真の世界で自分がどこまでギリギリの所に行けるかトライしているように思えます。
服部:普通のことをやっているだけですけれどね。100年くらい遡れば、すごく普通のことをやっているだけだと思う。
石川:僕もそういう特別なことをしている意識はなくて、ただ、そういう状況に遭うと、いろいろなものを感じられるのは確か。敏感になります。
服部:石川くんはいつもボケーっとしてるから、ちょっとヤバいくらいじゃないと(笑)
石川:つねにギリギリじゃないといけないなんて、僕は思っていないんですよ。身の回りに起こることをどれだけ感じられるかが大事だとは思っていますけど。だから、僕の写真を観て過激だと思われることもあるかもしれないけど、写っているのは結構どこにでもあることなんです。そこで感じたものが写真に表れているから、そういうふうに観えるんだと思います。