■ヒキガエルはうまかった(石川)
―― 1日の大まかなスケジュールは?
服部:薄明るくなってきたら起きて、焚き火を起こして、前夜に炊いた米を弁当にして、その残りで朝飯を食べつつ片付ける。1時間半くらいで出発してほとんど休憩は取らないで歩きます。時計は持ってないから正確にはわからないけど、たぶん3時間くらい。途中、僕は釣りをしたり、石川くんは写真を撮ったり、疲れてきたら休んで弁当食って。合間合間で山菜を採ったりしながら進みます。昼が過ぎて太陽が南中よりちょっと西側に傾いたら泊まる場所を考える、っていう感じです。
―― 米以外の食料は基本的に現地調達ですよね。どんなものを?
服部:イワナにカエルですね。ヘビは獲らなかったんだっけ?
石川:獲りませんでしたね。
服部:『CAMP』に収録されている写真のあの死んだヘビ、食えばよかったね。ほかには山菜でウド、ミズ、ウルイ。キノコは食ったかな?
石川:食いました。
―― 初めてのサバイバル登山的食生活はいかがでしたか?
石川:肉が食べたいと思いました。
服部:カエルを食べたのは2日めからだっけ?
石川:そうですね。
―― カエルは鶏肉のようで美味しいと聞いたことがあります。
石川:カエルは美味いですね。
服部:なんならこれから産卵の季節になるから、ヒキガエルは獲りやすいですよ。
―― 『CAMP』には下半身が齧られたモリアオガエルの写真が収録されています。あれは野生動物が食べた跡だと聞きました。モリアオガエルは天然記念物だから人間は食べちゃいけないんですよね。
服部:厳密に言えばどうかな? 最近は個体数が増えているから、日本全国のモリアオガエルが天然記念物なわけじゃなくて、カモシカとか雷鳥とは事情が違うんですよね。
―― そうなんですね。夕食を終えたら就寝する?
服部:食べ終わる頃はまだそんなに暗くないですね。早く食っちゃったら何もやることがなくなるし朝に腹が減るので、太陽の位置を見ながらゆっくり食べます。「まずはイワナの刺身から食い始めるか」みたいに、できたおかずからつまむ感じで。そのあとは、イワナのアラを油で揚げてつまみっぽくしてかじりながら茶を飲んだりして、暗くなったら寝ます。
石川:食べてるうちに暗くなる感じでしたね。