服部:たぶん、二人とも、やりたいことと自分の才能を活かせることの中間地点みたいな所をただ楽しいからやっているだけなんじゃないかと思うんですよね。
石川:結局は「自分を感じたい」とか「自分を知りたい」とかっていうことじゃないですか。自分が持っているものを使いたい、それが生きてるってこと、みたいな。
服部:それはありますね。「道具としての自分」というか、自分という道具を最大限に使ってみたいというのは常にあります。
―― お二人とも、身体で表現をされていると思います。
服部:肉体を道具として自分を表現するっていうイメージで生きているんで、身体性みたいなことに対しては常に意識している人間だと思います。サバイバル登山は、基本的に他人の力は借りず、自分の知識、技術、身体能力をどれだけ自分に還元して、そもそもあったプリミティブな環境で活動できるかということだから。
―― 身体性と自分の写真について、石川さんはどう考えていますか?
石川:僕も体を道具として使うみたいな意識はあります。だからこそ、いまできる形として中判カメラを2つぶら下げて、三脚も持って。10年後、20年後には絶対にできないですからね。考えているのはどれだけ全部を使い切って、いまあるものを感じられるかみたいなことですね。