身体の40%がプラスチック! 四肢切断女性が人間マネキンとしてモデルデビューするまで
華やかなファッションショーの舞台を、真っ赤なドレスに身を包んで闊歩するある1人のモデル――。他のモデルに比べれば若干、歩き方がぎこちないそのモデルはなんと、難病で両腕両脚すべてを切断した女性だったのだ。
■緊急入院して四肢をすべて切断
ロサンゼルスで看護師をしていたカレン・クレスポさん(当時28歳)は、2011年に軽い風邪のような症状で病院で診察を受けたのだが、3日後に難病の一種である細菌性髄膜炎であるいう診断が下されて緊急入院することになった。ICUで生死をさまよう集中治療が施され、15日間意識を失ったままであったということだ。
一命をとりとめ、意識が回復した彼女が見たものは真っ黒に変色した自身の腕と脚だ。そして悲観に暮れる間もなくその後すぐに四肢は4本すべてが切断されることになる。
「変わり果てた自分の姿を見て泣き叫ぶばかりでした。自分の身に起っていることがまったく信じられませんでした」(カレン・クレスポさん)
難病であるこの細菌性髄膜炎は、処置が遅れると脳や脊髄にも深刻な影響を及ぼすといわれ、炎症の影響で血流が止まったの場合、壊疽を発症した部分は切除する。四肢の他にも彼女は鼻と上唇、右耳の一部を切除しているが、いずれもその後の再建手術が成功している。
当然のことではあるが、彼女の生活は様変わりした。5カ月間にも及ぶ集中治療とケアの後、彼女に訪れたのは残った四肢すべてに義手と義足を着けた生活である。しかし、彼女の義肢はただの義肢ではない。切断した周囲の筋活動電位を感知して動かすことができるハイテクな筋電義肢なのだ。加入していた医療保険がおりたため、彼女は総額18万ドル(約2000万円)の最新型筋電義肢を手に入れたのだ。
「新しい生活に慣れようと毎日奮闘していますが、私の義肢はそれまで私が考えていた以上のことをしてくれます」と語るクレスポさん。
訓練を重ねることで義手の操作に慣れ、独力で食事ができるようになるまでにも、それほどの時間を要しなかったということだ。人生のすべてが台無しになってしまったかに思えたこの悲劇から、徐々に自信を取り戻してきたクレスポさんは、以前から胸に秘めていたある願望を実行に移すことになる。
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊身体の40%がプラスチック! 四肢切断女性が人間マネキンとしてモデルデビューするまでのページです。モデル、義足、仲田しんじ、障がい、義手、細菌性髄膜炎などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで