いまだ解決できない物理学上の9つのミステリー【前編】

■ダークマター(暗黒物質)とは何か?

1unsolvedinphysics2.JPG画像は「Wikimedia Commons」より

 観察によれば、宇宙の84%の物質は光を放ったり、吸収したりはしていないという。「ダークマター」は、またの名を暗黒物質と呼ばれるように宇宙空間に存在しながらも見ることのできない物質ということになる。直接確認をとることはおろか、いまだに間接的にさえもその存在の確認はとれていないのだが、放射線や宇宙の構造上の重力の作用などからそこにあるとされている物質である。

 ダークマターは、銀河系の周辺部分に充満していて、素粒子物理学の観点からは「WIMPS」と呼ばれる、質量は持つものの相互作用をほとんど持たない素粒子として、天文物理学の観点からは「MACHO」と呼ばれる、電磁波を放出しているものの暗すぎて現時点の観察能力では見つけることができない物質として考えられてはいるが、いまだに発見には至っていない。最新の研究では、ダークマターは宇宙全体に髪の毛のように細長く流れていて、地球からも放出されているとの仮説も出てきている。

ThinkstockPhotos-78463797.jpg画像は、Thinkstockより

■なぜ時間は一方向に進むのか?

 宇宙の特性として、エントロピー(乱雑さ)は増大する一方で、そのエントロピーを逆転する方法がないからこそ、時間は一方的に進むと考えられている。エントロピーの増大とは(ちょっと危険だがものすごく乱暴に言ってしまうと)、水の入っているコップにお湯を注いだ時には自然に混ざってぬるま湯になるが(混ざる=エントロピー増大)、逆にぬるま湯を熱湯と冷水に分離することはできないという例に置き換えることができる。

 閉鎖された環境の中では、他からなんらかのエネルギーが加わらない限り、整った状態から乱雑な状態へと進んでいくということで、エントロピーは低い状態から高い状態へと移っていくことになる。そこで問題になるのが、「なぜ宇宙は過去にエントロピーが低い状態であったのか?」という疑問である。言い換えれば、莫大なエネルギーが小さな空間に詰め込まれていたものが爆発し、膨張している宇宙だが、ではもともとの整った状態である宇宙とはどういうものなのだろうか? と、いうことなのである。

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