カオスに秩序はあるのか? いまだ解決できない物理学上の9つのミステリー【後編】

関連キーワード:

,

,

 現代の物理学者にとって世界はまだ謎に満ちている。大手サイエンス系ジャーナルの「Live Science」のレポートによる物理界の9つの「未解決」問題を紹介しよう。

※【前編】はこちら。

2unsolvedinphysics1.JPG画像は「Wikimedia Commons」より

■なぜ物質は反物質よりも多く存在しているか?

 反物質とは、物質と同じ質量を持ちながら、反対の電荷を持ち、スピン角運動量が反対の素粒子から構成される物質であるが、その反物質はなぜ物質よりも少ないのかが謎のままなのである。物理が、物質と反物質に同様の作用を及ぼすならば、物質自体がなぜ存在しているのかさえも謎になってくる。

 物質と反物質が対照的に扱われるならば、ビッグバンによって産み出された宇宙に最初に放出された物質と反物質の量は同等のはずである。つまり、陽子と反陽子、中性子と反中性子、光子と反光子が宇宙の中で同等の量であれば、お互いにその存在をキャンセルしあい、物質は存在しなくなるはずであるが、現実には物質は存在している。最新の研究によれば、一部の反物質の寿命が物質よりも短いことがわかってきてはいるのだが、それだけでは謎はまだ解明していないのである。

2unsolvedinphysics2.JPG画像は「Wikipedia」より

■宇宙の運命はどうなるのか?

 宇宙の運命は、宇宙空間の曲率(物質とエネルギーの運動密度を表す)Ωという単位の定数によって定められている。

 仮にΩが1よりも大きければ、時空は巨大な球のように閉ざされたものであると考えられる。そこにダークエネルギーが存在しなければ、宇宙はいつか膨張を停止し、逆に収縮し始め、最終的にビッグクランチと呼ばれる特異点に収束すると考えられる。

 もしそこにダークエネルギーが存在しているならば、球状の宇宙は永遠に膨張し続けるとされる。Ωが1よりも小さい場合は、宇宙は馬の鞍のような形で、開いたものになる。そして最終的な運命はビッグリップと呼ばれる、宇宙空間が自分の膨張によって引き裂かれた状態となり、ビッグフリーズと呼ばれる超低温の状態になるであろうとされる。

 また、もしΩが1であるならば、宇宙はすべての方向に無限に伸びる平面であると考えられる。そこにダークエネルギーが存在しなければ、膨張速度は徐々に遅くなり、最終的には膨張を停止すると思われるが、仮にダークエネルギーが存在していれば、宇宙の膨張は加速度的に高まり、最終的にはビッグリップに陥ると考えられてはいる。しかし、現時点ではその定数Ωがいくつであるかはわかっていない。

関連キーワード

プレスリリース入稿はこちら サイゾーパブリシティ