生まれながら全盲の人も身長は見えている?先祖から受け継いだ“特殊能力”が判明
「男性の声でボディサイズを察知する能力は、おそらく我々の祖先の時代から進化論的に発達させてきた能力で、現代にまで継承されているのです」(カタルツィナ・ピザンスキ博士)
実は、今回の実験において海外メディアで最も注目されたのは、全盲の人々が声だけで身長を判別することができていたことが判明した点だった。だが、健常者の場合は実際に目で見て確かめるのが一番早いはずにもかかわらず、体格を察知することができたことも驚きではないだろうか? 一体どうして人間は声で識別する能力が発達したのだろう?
「古代の人間は必ずしも毎回、他者の姿をはっきり目撃できたわけではありません。相手の声は、目では不明瞭にしか確認できなかった時の相手の姿を補うものだったのです」(カタルツィナ・ピザンスキ博士)
外灯など存在しない古代の社会では、薄暗くなれば当然周囲はぼんやりとしか見えないであろうし、人口密度が低かったことから遠くの人影を確認する機会も多かったのだろう。そこで視覚情報に加えて、声から相手がどのくらいの大きさなのかを判別する能力を高めたということになる。
そして興味深いのは、声による体格の判別は男性にのみ適用され、女性の体格をその声で推察するのはきわめて難しいということだ。というよりも、やはり警戒すべきは男性であり、女性についてはその声で体格を推察する必要性は薄かったということではないだろうか。
しかしながら、声で男性の体格を識別できる素晴らしい能力のメカニズムはまだ完全には解明されていないということだ。
そして、どのようにしてこの能力を高めていったのか、進化論的にどのような必要があったのかについても今後の研究課題であるということだ。先祖代々にわたって育んできた我々の耳の驚異の識別能力には、ただ驚かされるばかりだ。
(文=仲田しんじ)
参考:「Daily Mail」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊生まれながら全盲の人も身長は見えている?先祖から受け継いだ“特殊能力”が判明のページです。進化、仲田しんじ、古代、声、音などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで