オナラの回数が増えて強烈に臭くなる要因5つ!実はジョコビッチも悩んでいた?
●牛乳が苦手な体質の人のオナラ
牛乳などに含まれるラクトース(乳糖)を分解するためには消化酵素であるラクターゼが必要なのだが、このラクターゼがあまり体内で分泌できずにラクトースが吸収しにくい人々は決して少なくない。というよりも、症状の軽重はあれ、65%もの人がラクトースを効率的に吸収できていないという研究報告もあり、すでに多数派なのかもしれないということだ。牛乳を飲んでお腹がユルくなるのは今や一般的な現象のようである。
そして分解しきれなかったラクトースもまた大腸まで運ばれてきてからは腐敗が進むので、オナラが臭くなる原因になるのだ。
ラクトースをあまり分解吸収できない体質の人は日本人にも多いが、牛乳などの乳製品をあまり摂らないようにするしか今のところ解決策はないようだ。腸内で善玉菌を増やすといわれるヨーグルトにしても、残念ながらラクトースもまたふんだんに含まれているため、牛乳が苦手な人はヨーグルトも避けたほうが良さそうだ。
また人工甘味料として使われているキシリトールやソルビトールは水分を帯びたまま大腸へ移動するので下痢を誘発しやすい。
●あまりにオナラが続く場合は医師への相談も
どうしたって出るときは出るのがオナラだが、あまりにも頻繁にオナラが出たり、ガスでお腹が張っている感じがずっと続いたり、下痢や便秘が続いたりする際には、やはり医師の診断を受けたほうが良い場合もある。その場合、もっともあり得そうなケースになるのがセリアック病(celiac disease)と過敏性腸症候群(IBS)だ。
プロテニスプレイヤーのノバク・ジョコビッチ選手の持病であったことで一躍有名になったセリアック病は、ジョコビッチ選手がそうであったように自分ではなかなか気づくことができない厄介な自己免疫疾患である。
セリアック病は、小麦やライ麦、大麦などのグルテンを含むものを摂取すると小腸で炎症が起こり、栄養を吸収しづらくなって慢性の下痢や貧血、疲労感などの症状が現れるといわれている。下痢に伴ってオナラも多くなるだろう。治療法としてはジョコビッチ選手のようにグルテンを断つことが基本である。
一方で過敏性腸症候群のほうは、体質というよりもストレスによって引き起こされていて、慢性的な下痢や便秘、あるいは下痢と便秘が交互に現れたりと、いわゆる“正常”な胃腸の状態にあることが極めて少なくなる症状である。下腹がガスで膨れていると感じる症状もあり、その際にはオナラやゲップが多くなるということだ。
ストレスが原因の症状だけに、治療にはストレスを取り除くことが第一だが、食生活の見直しから生活習慣の改善まで抜本的な生活の質の向上が求められる症状と言えそうだ。もちろん医師のアドバイスを受けても良いだろう。
人間を含めて動物には、自分の身体に害を及ぼす食物は不味いと感じて避ける本能があると思われるのだが、さまざまな食品加工技術と調理法が発達し、また調味料の進歩も目覚しい今日にあっては、どれが自分にとって相性の良い食べ物なのか、あるいは害をもたらす食べ物なのか、ますますわかりにくくなっているとも言えるだろう。食に関して“舌”ばかりを優先させるのではなく、自分の身体にも耳を傾けるべきだということだろうか。
(文=仲田しんじ)
参考:「Mirror」、「Refinery29」、ほか
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