羊でストリートビューを作った「シープビュー」に超感動! Googleに見放された島のチャレンジが本家を凌いだ!
2007年に開始されたGoogle社が提供するストリートビュー。最近では閲覧できる範囲も広がり、軍艦島のような世界遺産から南極、海底といった意外な場所まで見られるようになってきている。一方でなかなか対応が追いついていない地域もまだまだ多い。そんな中、北大西洋に浮かぶフェロー諸島ではGoogleが来るのを待ちくたびれて、なんと独自の方法でストリートビューを作ってしまったのだ。
■ストリートビューならぬ「シープビュー」
18の島々からなるフェロー諸島は北大西洋に浮かぶデンマークの自治領で、人口5万人弱、高緯度、冷涼な気候のために中世から羊の放牧が盛んに行われてきた。そのため、フェロー諸島は「羊の島」として有名で、その数約10万頭弱と島民の2倍いるほどである。そんなフェロー諸島はあまりに遠くアクセスが悪いと、Google社はストリートビューを作成するための独自のカメラをはじめとする必要機材を持って島に訪れることを拒否してきた。
デンマークの首都コペンハーゲンに住むDurita Dahl Andreassen(以下アンドレアセンさん)は、Googleがいつまで待っても来ないので痺れを切らし、島にたくさんいる羊を利用して独自のストリートビューを作るプロジェクトを立ち上げたのだ。ストリートビューならぬ「シープビュー」の誕生である。
アンドレアセンさんとプロジェクトチームは現地のシェパードの協力のもと、5頭の羊を使って独自の方法でストリートビューの製作に乗り出した。「メーメー、おメーらの助けは借りねーよ」と羊たちがGoogleに反感を抱いていたかはさておき、観光客にこの自然豊かな美しい島を知ってほしいという思いと、最終的にはGoogleを説得して完全なるストリートビューの完成を目指しているという。
■全天球カメラと羊のコラボが生み出す新しい映像
アンドレアセンさんらはリコーの「THETA」という一回のシャッターで自分の周り360度全てを撮影できる全天球デジタルカメラを羊の背中に取り付け、撮影された画像とGPSデータが自動的に送信されるようにプログラムした。羊の背中にはカメラの他に電池切れを防ぐためのソーラーパネルとデータ送信用のスマート・フォンがセッティングされている。なるほど、自分たちの手の届くツールで上手く考えられたシステムである。さらに羊を使うことによって得られるメリットがあるというのだ。
「手付かずの大自然が残る島だけに人間が行きづらい場所でも、羊たちなら難なく撮影してくれるの」と、「シープビュー」ならではの利点を明かしている。勾配のきつい場所や、崖などの危険な場所でも、羊なら苦もなく撮影してきてくれるというわけだ。
これが実際製作された「シープビュー」の映像だ、羊だけにやや揺れるがぜひ見てほしい。下の方に視点を移せば羊がお尻をフリフリさせながら歩いている様子もわかる。なお、ブラウザはChromeで閲覧することをオススメする。Chromeであれば、動画再生中にマウスで見たい方向にグリグリ動かせば全方向見ることが可能なので「シープビュー」の世界観がより楽しめるはずだ。
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2024.10.02 20:00心霊羊でストリートビューを作った「シープビュー」に超感動! Googleに見放された島のチャレンジが本家を凌いだ!のページです。アナザー茂、ストリートビュー、デンマーク、羊、シープビュー、Googleなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで