【進化の謎】地球上の生物は多種多様なのに、なぜ人間は一種類だけなのか? 理学博士が驚愕の真実を語った!
たとえば先ほど紹介した、たった一種類しか存在しない微生物は、カルフォルニア湾の深海2000mの海底にある熱水噴出孔に生息する極限微生物の一つだ。80~110度にもなる高温に加え、二酸化炭素も高濃度という、生物には過酷な環境でひっそりと生きている。ただし、彼らは他の種との生存競争には無縁で、熱水が噴出し続ける限り進化の必要はない。
「近縁種の少なさや世代時間の長さから考えても、生物としてのヒトの進化速度は虫や植物に比べたらずっと遅いでしょう。だが、それが問題となるのは環境の激変、例えば恐竜を滅ぼしたような隕石の衝突、巨大火山の破局的噴火、超新星爆発によるガンマ線バースト等の地球上のほとんどの生命が生存の危機に瀕した場合だけではないでしょうか」
■危機的環境下でヒトが生き延びる方法はあるのか
ではもし、そのような終局的な状況が訪れた場合、ヒトはただ滅びるのを待つだけなのだろうか?
「万が一そのような事態が起きた場合、ヒトは他の動物のようにその環境に適応するよう進化するより、科学技術などで何とか生き延びられる環境をつくり出すしかないのでしょうね。あるいは人工的に体をつくり変えたり、コンピュータ上のAIとして存続したりという手段も考えられます」
人工進化にAI化。自然の摂理に反した手段であり、抵抗感は強い。そこまでして人類は生き延びねばならないのだろうか? そんなことも考えてしまうが、X氏はそんな懸念を笑い飛ばした。
「それでも滅びるときは滅びますよ。極限環境下でも生きられるように人工進化させても、結局他の生物のエサにしかならないかもしれませんし、AIはコンピュータが壊れたら消えてしまいます。ヒトの最大の武器は知恵です。人工進化にしろ、AI化にしろ、文明が維持できなくなった時点でヒトは終わりです」
ヒトという種がどのように存続していくのか、あるいは途絶えるのか。これまでさまざまな科学者や小説家が挑んできた魅力的なテーマである。眠れぬ秋の夜長には、人類の未来に思いを馳せてみてもいいかもしれない。
(吉井いつき)
参考:「Daily Mail」、「ROYAL SOCIETY」
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