サラダの盛り付けをアート作品にすると2倍美味しくなることが判明! カンディンスキーは激ウマ、ピカソは!?
英紙「Daily Mail」によると、最新の心理学研究で「サラダを芸術作品に模した場合、普通に盛り付けられたものより美味しく感じる」という興味深い結果を発表した。
■料理の盛り付けが抽象絵画風だと美味しく感じる
この実験は、オックスフォード大学とロンドンを拠点に活躍するシェフたちとの協働により、18歳~58歳までの60人の被験者を動員して行われた「サラダをアートすると、人にはどのように作用するか」という実験だ。研究チームを率いるオックスフォード大学のチャールズ・スペンス教授は語る。「ディナー客は、運ばれてきた一皿の美しさを直感的に見抜きます。料理が精巧であればあるほど、また、それが抽象絵画を彷彿させるとき、より美味に感じるのです」。
実験の方法は以下の通り。まったく同一の食材を用いて、2種類のサラダを作る。1つは、ごく一般的なサラダ、もう1つは有名なアート作品を真似たもの。食材には、マッシュルームやブロッコリー、エンダイブ、カリフラワー、日本でもおなじみのシメジなど30種類以上が使用され、さらにイカスミを含めたさまざまなソースがふんだんに使われた。
被験者たちに断トツ人気だったのが、ロシアの抽象画家ワシリー・カンディンスキーの『E.R.キャンベルのための壁画No.4』だ。被験者の多くが、「きちんと盛り付けられてはいるが、あまりクリエイティブでないもの」より、ずっと美味しいと報告している。
また、この美しく盛り付けられた野菜に2倍の料金を請求されたとしても納得すると語っている。つまり、盛り付けいかんで、お客が喜んで支払う値段まで変わってくるというのだから、視覚から刺激される食欲というのは絶大だ。ちなみに、カンディンスキー以外にもピカソの『ドラ・マールの肖像』やマグリット、そしてロスコの作品が一流のシェフたちの手により美しく再現されている。また、ポップアートの旗手キース・ヘリングの作品もシェフたちに人気のようだ。
■食す側もインスパイアされる“食用芸術”
芸術性の高い料理に感激してしまうというのは、古伊万里の器に盛り付けられた刺し身が、ありきたりの皿に盛られたものより、なんとなく美味しくて、お手ごろとは言い難いお値段であったとしても納得してしまう感じに似てなくもない。今回の研究では、そういった人間の感覚が心理科学的に証明されたことになるといえよう。
実際、こんな芸術作品のオマージュを目の当たりにしたら、それだけで特別料理をいただけるような高揚感を感じるはずだ。見た目より味で勝負の「男の料理」も楽しいが、ときにはこんな手の込んだ「食用芸術」を食べてみるのもお腹だけでなく五感も満足するに違いない。
料理人の瑞々しい感性が伝わる一品は、食す側もインスパイアされ、目で愛でる以上に至福の時を堪能できるのだろう。まさに口福。
(文=佐藤Kay)
参考:「Daily Mail」、ほか
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