北欧神話最強の武器ミョルニルがデンマークで出土! 神話ヲタが徹底解説!
■歴史に消えたヴァイキング
ヴァイキングの文化や歴史には謎が多く、現在でも研究が続けられています。その理由としては、彼らが8~12世紀というごく短い時代にしか活動していないこと、11世紀ごろにはキリスト教に取り込まれていたこと、遅くとも15世紀までにヴァイキングと呼ばれたすべての人々が地域に溶け込み消えていること、などが挙げられます。
その中でも特に問題となっているのが、ヴァイキングを含めた古代北欧文化圏に「歴史や文化を文字で書き残す習慣がなかった」ことです。彼らがほぼ口伝のみでそれらを伝える習慣にあったことや、さらにその地域で使われていたルーン文字が、長い文章を書くのに適さないものであったことも原因と考えられます。
さらにタイミングの悪いことに、これら北欧の伝承がまとめられはじめたのは、キリスト教が広まることによって古い伝承や信仰が失われつつあり、さらにヴァイキングが姿を消し始めた11世紀頃でした。
ヴァイキングに謎が多い理由とはつまり、キリスト教の影響を受けていないヴァイキングの文化や歴史について書かれた資料がほとんど残されておらず、さらに当のヴァイキングたちが姿を消してしまっているためなのです。
改めて、先入観なしにヴァイキングの遺跡から発掘されたミョルニルのアクセサリーを見てみましょう。
その形はヴァイキングの主要武器である斧の刃先、船を停泊させるイカリ、翼を広げた鳥などにも見えますし、あるいはまったく別のものである可能性も捨てきれません。キリスト教の十字架と共に出土することが多かったため、彼ら独特の宗教的な意味を持つ物品とも考えられていたのではないでしょうか。
長らくミョルニルが議論の対象となっていた原因とは、ヴァイキングが伝承を残さず消え去った集団であったがために、それが何なのかという確たる証拠が無かったためなのです。
後編では、このミョルニルという北欧神話の最強武器と、その持ち主である北欧神話最強の神トールについて解説していきます。
(文=たけしな竜美)
■たけしな竜美
オタク系サブカルチャー、心霊、廃墟、都市伝説、オカルト、神話伝承・史実、スマホアプリなど、雑多なジャンルで記事執筆、映像出演、漫画原作をしています。お仕事募集中です! Twitter:https://twitter.com/t23_tksn
参考:「Daily Mail」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊北欧神話最強の武器ミョルニルがデンマークで出土! 神話ヲタが徹底解説!のページです。デンマーク、ヴァイキング、たけしな竜美、トールハンマー、ミョルニル、北欧神話、武器紹介シリーズなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで