ピラミッドは超巨大「水路トンネル」で建造された! 建設会社社長が“圧倒的説得力”で謎を解明!
■ピラミッドもナイルの賜物だった
そこで、既存の理論を度外視した実現可能な建設方法を模索した結果、最終的に辿りついたのが、ナイル川の水流を利用した「ウォーター・シャフト理論」である。
当時、ワインや水などの容器として使われていた動物の皮を空気で膨らませれば浮力材になる。それらを浮力のあるパピルスとともに石材にくくりつつければ、労力をそれほど使わずナイル川にそって材料を運ぶことができるというわけだ。
しかし、首尾よくギザ台地まで運んだとして、ナイル川岸からギザの大ピラミッドまでは8kmほどの距離がある。地上での運搬はどうするというのだろうか? マッシー氏は、ここでもナイル川を利用する。
傾斜をつけた「水路トンネル」と「水門式の扉」で水流を調整することで、浮力を使ってピラミッドの上部まで石材を運ぶことができるというのだ。マッシー氏がYouTube上に公開している実験映像では、確かに重そうな木材が傾斜を上っていく様子がしっかり確認できる。
「古代エジプト人はナイル川に頼った生活をしていましたから、水の特性を熟知していたはずです。高い技術力をもった古代エジプト文明が、その特性を生かさず、大量の人員を投入する下手な力技を思いつくとは私には信じられません。産業革命で石炭が世界中に輸出されるようになった時も、人海戦術で陸路を運ぶのではなく、水路を掘ったじゃないですか」(マッシー氏)
現在のところ、まだ「ウォーター・シャフト理論」はそれほど知名度を得ていないが、今後有力な仮説として徐々に広がっていくかもしれない。マッシー氏のアイデアの全貌は、著書『Pyramids of Egypt: How Were They Really Built?』に収められている。残念なことに未邦訳ではあるが、興味を持った読者は手にとってみては如何だろうか?
(編集部)
参考:「Derby Telegraph」、「EWAO」、ほか
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