超大質量ブラックホールが時速720万kmで宇宙空間を爆走中! 手当たり次第に周囲を飲み込みまくる事態!
■超新星爆発の1億倍のエネルギーで弾き飛ばされる
NASAによれば、これまでにも母体の銀河から放り出されて宇宙空間をさまよう巨大ブラックホールの存在が指摘されていたのだが、いまだ確認には至っていない。もし今回の件が本当に銀河の中心から離れて宇宙空間をさすらう超大質量ブラックホールだとすれば、初めて確認されるケースになるということだ。
いったいどういうメカニズムで超大質量ブラックホールが“地元”から逃出してしまうのか? それは2つの銀河の融合がきっかけになっているという。
ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した3C 186の画像をよく見ると、また別の楕円型の銀河と重なりあっていることが確認できるとNASAは主張している。これは、2つの銀河が融合した証しであるということだ。そしてそれぞれの銀河の2つの超大質量ブラックホールもまた融合したのだ。
宇宙望遠鏡科学研究所(Space Telescope Science Institute)のマルコ・キアベージェ博士らの研究チームの説明によれば、お互いを飲み込まんばかりの勢いで近づいていく2つのブラックホールからは、強い重力波が放出されるということだ。
引き寄せあう2つのブラックホールの質量が同規模であるケースは少なく、それぞれが同心円状に発している重力波がぶつかり合い、複雑な動きを見せることになる。それでもさらに2つは接近し、遂に衝突した際には、重力波が放出される向きに相当な偏りが生じているという。
互いに超大質量ブラックホールである2つが衝突すれば、通常の超新星爆発の1億倍という凄まじいエネルギーが放出される。そして偏りを見せて最も強く重力波が放出されていた方向とその反対方向へ、合体したばかりのブラックホールがまるでゴムを限界まで引き絞って射出したパチンコ玉のように勢い良く放たれるということだ。
こうして時速720万kmもの高速で宇宙をさまようことになったと説明された今回のブラックホールだが、こうした経緯で生まれ宇宙を“爆走”し、手あたり次第に周囲を飲み込む超大質量ブラックホールがほかにいくつもあるのだとしたら、きわめて不気味な話だろう。
(文=仲田しんじ)
参考:「Express」、「New Scientist」、ほか
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