「頭部移植手術を10カ月以内、冷凍脳移植手術も2020年までに実行」現代のフランケンシュタイン博士が“死の根絶”を宣言、各界に波紋
■次の計画……「脳移植」
そして「頭部移植手術」を進める一方、カナヴェーロ教授はすでに次の計画を持っている。
ドイツの「Ooom」誌のインタビューで、教授は凍結した脳を解凍し、それをドナーの体に挿入する世界初の「脳移植手術」を遅くとも3年以内に行うと語った。2018年にはアリゾナ州の「アルコー・ライフ・エクステンション・ファンデーション(Alcor Life Extension Foundation)」で凍結されている脳を再覚醒させる予定だ。教授はそのためのチーム作りもすでに始めている。
教授の考えている「脳移植手術」は「Cryopreservation(凍結保存)」と呼ばれ、身体が法的に死んだ後にのみ行え、心臓停止から2分以内にはじめて15分以内に完了することが理想とされている。
遺体には凍結防止化合物が注入され、マイナス196度で凍結することで細胞の損傷を防ぐ。そして教授は「脳はいわば中立的な器官です。血管、神経、腱、筋肉と違い免疫反応がほとんどないため、拒絶反応の問題は存在しません」と説明する。
教授はこの恐るべき計画について楽観的な態度だが、別の体に脳を入れた後に肉体的、心理的な問題があるかもしれないことを認める。
「あなたの頭はもはやそこには無く、脳は完全に異なる頭蓋骨に移植されます。そこには確かに簡単ではない新しい状況が生まれるかもしれません」(カナヴェーロ教授)
現在、米国には2つの人体冷凍保存研究施設――アリゾナ州の「アルコー・ライフ・エクステンション・ファンデーション(Alcor Life Extension Foundation」」とミシガン州の「クライオニックス研究所(Cryonics Institute)」――が存在する。アルコー・ライフ・エクステンション・ファンデーションは、全身保存の費用を20万ドル(約2250万円)、クライオニックス研究所は全身凍結保存にかかる費用は最低約3万5000ドル(約400万円)からと設定している。
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