最先端ゲノム編集「CRISPR」が2017年に成し遂げた11の偉業がスゴスギル! 半合成生命体の誕生、HIVウイルスの除去、DNAメモリー化…

3. 半合成生体組織を開発
 米・スクリプス研究所の研究チームは、CRISPRを使って通常の4つの塩基配列ではなく、例外的な6つの塩基配列を有する人工DNAを大腸菌に取り込ませることで、これまで自然界に存在しなかった半合成の生体組織を作り上げることに成功した。そして移植医療などの活用を想定してこの新たなDNA分子が侵襲的存在であると確認されないように、さらなるゲノム編集が実施されたということだ。

4. がん細胞の“命令系統”の攻撃に成功
 米・ペンシルベニア大学の研究チームは、免疫細胞の特定の遺伝子をCRISPRを使って編集することで、がん細胞の“命令系統”を狙って攻撃する実験に成功した。マウスを使った実験では腫瘍が縮小したということだ。

5. がん細胞の増殖を遅らせることに成功
 米・ロチェスター大学医療センターの研究者チームは、CRISPRを使ってがん細胞の増殖を促すたんぱく質「Tudor-SN」を除去することに成功した。新たながん治療法の開発につながるものとしてさらなる研究が期待されている。

最先端ゲノム編集「CRISPR」が2017年に成し遂げた11の偉業がスゴスギル! 半合成生命体の誕生、HIVウイルスの除去、DNAメモリー化…の画像2Science Alert」の記事より

6. “スーパーバグ”を自滅させることに成功
 抗生物質が効かない“スーパーバグ”の出現が深刻な問題となっているが、アメリカのバイオ企業「Locus Biosciences」の研究チームは、バクテリアファージウイルスに“スーパーバグ”の遺伝子配列を加えることによって、自己破壊メカニズムを引き起こさせることに成功した。つまり“スーパーバグ”を“自殺”に追い込む技術であり、大きな期待が寄せられている。

7. 蚊の繁殖を制限することに成功
 マラリアやデング熱など蚊によって媒介される感染症は多いが、ゲノム編集技術でこれらを撲滅できる可能性が出てきた。ジョンズ・ホプキンズ大学の研究では、蚊の生殖に関わる遺伝子を改変することで、蚊の繁殖を制限することに成功している。これは複数のゲノムを同時に変更できるCRISPRの存在の賜物である。

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