物質の超新形態「エキシトニウム」が証明される! 50年の謎が解明…科学界を揺るがす大発見「宇宙的に意義がある」
物理学界を揺るがす大きな発見があった。1960年代に予測された物質の形態の一つ「エキシトニウム(excitonium)」がついに証明されたのだという。このニュースは科学メディア「Phys.com」だけでなく、英メディア「Daily Mail」ほか多数の一般メディアでも報じられている。
画像は「Daily Mail」より引用今月8日付で学術誌「Science」にエキシトニウム発見の論文を発表したのは、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の物理学者Peter Abbamonte氏らのグループだ。エキシトニウムは1960年代、米ハーバード大学の理論物理学者バート・ハルペリン教授によって予測された物質の形態の一つだ。物理学者たちはその存在を証明しようとし、発見という報告も幾度となくされていたのだが、どれも決定的な証拠ではないとされてきた。その「エキシトニウム」がついに証明されたのだ。
■エキシトニウムとは?
エキシトニウムはエキシトン(exciton)と呼ばれる粒子で構成されている。エキシトンは半導体に光照射するなどして生まれる、負の電荷を持つ電子と正の電荷を持つ正孔のペアのことだ。超伝導や超流動といった現象を説明するボーズ=アインシュタイン凝縮(ある閾値を超えたとき、系を構成する大多数の粒子がひとつの大きな波としてふるまうこと)によれば、エキシトンは超流動体か電子絶縁体に凝縮すると予言されており、この凝縮体こそエキシトニウムであるとされる。
イリノイ大学のチームは新しく開発されたM-EELS(運動量分解電子エネルギー損失分光法、momentum‐resolved electron energy‐loss spectroscopy)を使って、遷移金属ジカルコゲナイド(1T‐TiSe2)を計測した。すると、相転移温度(190ケルビン)付近でエキシトン凝縮の証拠である、ソフトプラズモン相を観測した。チームはエキシトニウムの存在を世界で初めて証明したのである。
■「宇宙的な意義のある結果」
イリノイ大学の研究チーム。画像は「Phys.com」より引用研究チームは今回の発見を「宇宙的な意義のある結果」だと確信しているという。先述したとおり、エキシトニウムは超流動体かあるいは絶縁体と予測されているが、詳細な性質については今のところ不明であり、今後さらに研究が進められる。
今回行われたエキシトニウムの存在の証明は、量子力学をさらに発展させる可能性を秘めている。新たな半導体の開発などに役立つとも考えられるが、応用について考えることすら時期尚早であるという指摘もされている。研究の続報に期待したい。
参考:「Science」「Daily Mail」「Phys.org」ほか
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