ホラー小説『リング』は“神のお告げ”で書いた ― 原作・鈴木光司インタビュー! 念力やオカルト『ザ・リング』新作の恐怖を語る!
―――『リング』の設定はどうやって思いついたのでしょうか?
鈴木 最初は怖い話を書くつもりはなかったんですよ。ただ面白い話を作ろうと思って「4人の男女が別の場所で同時に変死したらどうなるか?」という設定だけ考えた。次に場所は当時よく行っていた南箱根の別荘にしようと考えて、その次に同時に死ぬためには「ウィルス」が必要だと、そういうふうに内容を詰めていきました。でも、そこで煮詰まってしまって、ふと自分の子どもを見たら、偶然ビデオテープを手に持っていたんです。だから、「ビデオを観てウイルスにかかったこと」にしようとなった。最後に、ビデオを見て死ぬためには「呪い」がかかったことにしようと決めて、『リング』の設定が完成しました。でも、そもそも、僕は『リング』を神のお告げで書いてるんだけどね。
―――え! どういうことですか??
鈴木 ある時、パッと頭の中でお告げが聞こえたんです。「(原稿用紙で)500枚のすごく面白い小説が書けるから、何か書け」って。頭の中で起きていることだから、なんとも言えないけど、僕にとって「外部からの声」のように感じた。“そういうの”は朝方に来ることが多いんです。
―――それはすごい! オカルト的な質問になりますが、実は私(編集S)は、映画の「リング」を観て怖い体験をしているんです。5~6年前になりますが、深夜に急に「リング」が観たくなってTSUTAYAを探しまわってやっとDVDを見つけて、夜中の2時頃家族3人で『リング』を観始めたことがあるんです。で、映画を見終わってエンディングロールが流れた瞬間に家の電話が鳴ったんです。まるで映画のように。母が受話器をとったら、泣き声のようなかすかな音がしまして…。これは、なんだと思いますか?
鈴木 それは、念だろうね。「映画を見たら、電話が鳴るかもしれない」って家族3人がどこかで思っていたんじゃないかな。そういう“念の力”が電話をかけさせたのだと思います。思いが強いとそういうことが起こるんですよ。ほかにも、『リング』を観終わってテレビを消したら砂嵐が起きたとか、そういう話も聞きました。
―――なるほど。念動力のようなものですかね?
鈴木 僕も10年前くらいに念力を実感する体験がありました。自宅のトイレにセキュリティの緊急ブザーがついてたんだけど、座りながら「これは何のブザーだろう、どこにつながるんだろう」って思いながらジーッと見ていたら、押してないのにブザーが鳴って警備会社が来ちゃったんです。でも僕は本当に何もしてないし、押していない。ただ考えていただけなのに。その後、何度も念力の訓練をしたけど、二度と鳴らなかったよ(笑)。
恐怖の担い手とばかり思っていた鈴木光司氏は、これまでに会った誰よりも強く明るい創造の力に満ち溢れた人物だった。また、『リング』が神のお告げで書かれたものだということも驚きだ。何度観ても、いつでも怖い『リング』だが、実は『リング』を見ると恐怖と同時に運気が上がるのかもしれない。衝撃シーンが多数盛り込まれ、アップグレードされた恐怖が体験できる『ザ・リング/リバース』も必見だ。
●映画『ザ・リング/リバース』
2018年1月26日より全国公開
・http://thering-movie.jp/
<STORY>「必ず7日後に死ぬ」と言われる呪いのビデオを見てしまったジュリア。迫り来る運命から逃れ、呪いの連鎖を断ち切るべく、恋人のホルトとともに、呪いのルーツを辿り、謎を解き明かそうとする。やがて辿り着いたのは一人の少女の存在。しかしそれは更なる恐怖の幕開けだった…。
監督:F・ハビエル・グティエレス『アルマゲドン・パニック』
脚本:デイビッド・ルーカー『ドリームハウス』、『ボディ・ハント』、ヤコブ・アーロン・エステス『さよなら、僕らの夏』、
アキヴァ・ゴールズマン『天使と悪魔』、『ダヴィンチ・コード』、『ビューティフル・マインド』*アカデミー賞脚色賞
製作:ウォルター・F・パークス&ローリー・マクドナルド「ザ・リング」シリーズ、「MIB」シリーズ、『ターミナル』、『ロード・トゥ・パーディション』
出演:マチルダ・ルッツ、アレックス・ロー『フィフス・ウェイブ』、エイミー・ティーガーデンガブリエル、ジョニー・ガレッキ「ビッグバン☆セオリー ギークなボクらの恋愛法則」、『TIME/タイム』 ボニー・モーガン、ビンセント・ドノフリオ『フルメタル・ジャケット』
原作:鈴木光司/映画「リング」 原題「Rings」/2016/102分/アメリカ/G
配給:KADOKAWA 提供:KADAOKAWA、アスミック・エース (C) 2017 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.
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