【閲覧注意】ミイラ、腐乱死体、ぬいぐるみ……1000体以上の死体を撮った死体写真家・釣崎清隆が樹海で見たものとは!?
死体写真家・釣崎清隆写真集『THE DEAD』出版 クラウドファンディングプロジェクト
記念寄稿!
■死体写真家・釣崎清隆、樹海を行く
青木ヶ原樹海の取材は2017年以来11年ぶりになる。
2018年4月30日、快晴。
「お前、昔からちっとも変わらないなあ」
樹海探検家の小平氏は、ほぼ毎週の樹海巡回のたびに、いまだ搬送されずに残った“友人”たちを巡って挨拶を交わす。
そのご遺体は昨年12月、小平氏が年越しを危ぶんだ自殺志願者を目当てに樹海入りして出会ったもので、風通しの良い無菌環境でフリーズドライ化、ミイラ化したものだった。「きりんさん」と命名された彼は、若き首吊り死体であった。多くの首吊り死体が自壊して地面に崩れ落ちてしまうところ、彼は首の頸椎は解離しているものの皮膚や筋肉がしっかりしていて、いまだ伸びたまま吊り下がって、しっかり“立っている”。
冬の凍結した樹海歩きは到底無理だろうと想像していた私にとって目からうろこだったのは、ハイシーズンでは起伏しごつごつしている溶岩や樹木の根の上も、冬は凍結によってかえって調子よくフラットになり、覆った藻や土も凍結によって踏み抜くこともなく進める、ということであった。「きりんさん」は、頭髪や眼球が残留し、人間の表情を残していた。
私は四半世紀にわたって世界のヒトの死の現場を歩き、取材を続けてきた。タイ、コロンビア、メキシコ、ブラジル、ロシア、パレスチナ……これまでに撮った死体は1000体以上に上る。
今回の取材は、私の死体写真家人生の集大成として、クラウドファンディング・プロジェクトによって今夏の出版を目指している死体写真全集『The Dead』にて正式公開する最新死体写真の撮影である。
当初私が死体を撮るために世界に飛び出したのは、基本的に我が国でヒトの死体を撮影することが非常に困難だからであるが、今回取材した樹海は、日本で唯一といってよい例外的「好猟場」。世界的にも大規模な自殺の聖地であることは、よく知られた事実だ。
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