宇宙はラム酒で満ちていたことが判明! 10億年間毎日飲んでOK「超巨大アルコール雲」とは?
地球から1万光年離れた宇宙の彼方にラム酒の香りとラズベリーの味がする「超巨大アルコール雲」が存在することをご存知だろうか?
海外サイト「Mental Floss」(2013年6月20日付)によると、1995年にわし座付近で発見された太陽系の直径の1000倍もある巨大な宇宙雲に400×10^24パイント(400パイントは約227リットル)のビールに相当するエチルアルコールが含まれていることが明らかになった。これは地球上全ての人間が毎日17万リットル飲んでも10億年かかるほどの莫大な量のアルコールだという。
酒好きにはたまらない話だが、この雲は地球から58×10^24マイル(58マイルは約93km)も離れている上、二酸化炭素、アンモニア、水素、シアン化物など32もの化合物が含まれており、残念だがとてもそのままでは飲めたものではない。
このようなアルコール雲は星の誕生に伴って形成されるため、巨大惑星の誕生の秘密を解き明かす鍵になると天文学者らは考えているという。さらに、アメリカ国立電波天文台のバリー・ターナー氏によると、星だけでなく生命誕生の謎を探る上でもアルコール雲の存在は重要とのことだ。
実はこの手のアルコール雲は天の川銀河にいくつも存在しているという。サジタリウスB2分子雲にも10×24リットルのアルコールが含まれており、天の川銀河の中心部分にある育星場(星が形成される分子雲)にも2880億マイル(約4600億km)にも及ぶメタノールの橋が架かっているそうだ。
サジタリウスB2分子雲のアルコールは毒性のあるメタノールであることから飲料には適さないというが、甘い果実臭がするギ酸エチルが含まれているため、ラズベリーの味とラム酒の香りを楽しめるかもしれないという。
ただこの表現は宇宙の歴史から見て適切ではない。サジタリウスB2分子雲はラム酒やラズベリー以前から存在するからだ。正確には、ラズベリーは宇宙雲味で、ラム酒は宇宙雲の香りと言うべきだろう。つまり、ラズベリーとラム酒さえあれば、地上にいながら手軽に宇宙を感じることができる。
人間が愛するこの香りと味を宇宙人たちも愉しんでいるかもしれない。銀河の中心で彼らが酒盛りをしている光景を思い浮かべるとなんだか微笑ましいではないか。
参考:「Mental Floss」、ほか
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